犯罪対策閣僚会議というのがあって、そこが「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)に対する意見の募集というパブリックコメント募集をやっていて、これがわずか10日ほどの募集期間。共謀罪関係の項目があったりネットの表現規制に関係する項目があったりして一部で注目されつつ存在自体、広くは知られていない模様。まぁ、大半は現行の政策そのものをしっかりやります、ないしその延長という話でしかなかったりはするけれども。
ということで、読んでいたら最初のほうにGoogleストビュー問題の話がいきなり出ていた。「第1 身近な犯罪に強い社会の構築 - 2 犯罪に強いまちづくりの推進」の項目のひとつで、2ページ目のなかほど。
③ 道路周辺の映像を表示するサービスに係る防犯対策等の検討
実在する道路周辺の映像をインターネット上で立体的に表示するサービスについて、防犯上の問題点等を検討し、問題点がある場合は、対策について検討する。
楠さんが通信プラットフォーム研究会と携帯電話の契約者IDの問題は別という話をしていて、報告書案はたしかにそこは直接リンクしない話に落ちていて、というか、今後の検討に先送りしているともいえる(そこは、契約者IDの問題を解決したい人にとってもチャンスの場だかれども、IDで徹底的に個人情報を結びつけたいビジネスにとっても正当性を担保するチャンスの場だとも言える)けれども、インターネットが終わっちゃうかどうか問題についていえば、問題はそこだけじゃないので。ということで、私が書いたパブコメを以下に。今の文脈だと意見2のほう。いいかげん、IPv6を個人に紐付ける識別子にっていう発想は政策の場から追い出されるようにするべきだと思う。
意見1. 18ページ 4.3) 「2 外部リンク(リンクアウト)の柔軟性の確保」について
現在の主流の携帯電話端末では、ブラウザ上で表示されているページのURLを確認するためにメニュー操作が必要であったり、あるいは正確なURL確認が不可能であったりする。このような環境において外部リンクの柔軟性が確保されると、サイトの信頼性を確認する点について利用者が大きな不便や不利を被ることになる。同様の問題はすでに公式サイト以外のサイトの利用において存在しているが、公式サイトでの「外部リンクの柔軟性の確保」は、問題を深刻化させる可能性がある。
報告書案では、一定の環境整備と事業者間の合意を前提とした上で、相互リンクを実現することを提案しているが、コンテンツの信頼性の最終的な判断は、実際には公式ポータルや競争ポータルをどれだけ信頼するかという利用者の判断の余地が残されるべきである。
従って、「外部リンクの柔軟性の確保」にあたっては、ポータルが対象とする携帯電話端末においてPCのブラウザ同様のURLの常時表示の実現を必須の前提とするべきである。
意見2. 33ページ 5.1) 「(b)移動通信分野の認証基盤と他の認証基盤との相互運用性の確保」について
「例えば、今後はIPv4アドレスが2011年頃に枯渇するものと見込まれることから、インターネットは段階的にIPv6アドレスに移行していくが、それに併せてIPv6アドレスが各携帯端末にも付与されれば、従来の電話番号等をベースとしたユーザーIDに替わって、IPv6アドレスを携帯端末の識別子とする新たな移動通信の認証基盤を構築すること等も考えられる。」
とあるが、一般論としてIPv6アドレスは識別子とするには不適切である。もっとも一般的なIPv6のアドレス設定方式である ステートレスな自動設定(RFC4862) やプライバシー拡張(RFC4941)においては、IPv6アドレスの永続性は意図的に保証されていない。ステートフルなDHCPにより永続的なアドレスを保証することは不可能ではないが、IPv6ネイティブの携帯端末のセキュリティや プライバシー確保の観点からは、アドレスの一意性が保証しないことを積極的に志向するべきである。
携帯端末むけに標準化が進んでいるProxy Mobile IPv6 (RFC5213)においてもアドレスのステートレスな自動設定は主流な方式としてサポートされており、IPv6アドレスを識別子として永続的なものに限定するような仕組みの導入の要請は国際標準にそぐわないネットワークを求めることになると考える。
また、アドレスのステートレス自動設定では変化するのはIPv6の128ビットアドレスのうち下位64ビットであり、Proxy Mobile IPv6 では上位のプレフィックスについては接続中には他の端末と共有されないホームアドレスを割り当てることからホームアドレス部分を識別子とすることも考えられるが、IPv6のアドレスの使い方を考慮した場合、携帯端末ごとに一意のホームアドレスを割り当てるというのは、いくらIPv6のアドレス空間が広いといえども、携帯電話の端末数を考慮した場合に無理があると考える。なお、Proxy Mobile IPv6 ではホームアドレスのリナンバリングもサポートしており、永続性を保証するものではないことは明らかである。
以上のことを考えた場合、「例えば」以下は、例示としても不適切であり、削除するべきと考える。
えがちゃんこと永上裕之氏が非モテSNSというのを作って告知しているのだけれども、これって違法サイトじゃね?
「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」、いわゆる出会い系サイト規制法というのがあって、出会い系サイトの事業や利用法について規制されている。このほど法改正と施行規則改正で大幅な規制強化が行われて、届出義務化とか年齢確認の強化とかが、12月から順次始まる。警察庁のサイトに詳しい説明がある。年齢確認の強化で免許証の写しなどの送付(メールでいいし、パブコメでツッコミが入って施行規則上は本人を特定する部分は塗りつぶすなどしてもいいが、事業者の決めるルールはまた別)を求めるレベルの厳密な確認を求めるというのは、まさに永上氏のような(ワナビーかもしれないが)スタートアップのレベルの事業者にとっての大きな参入障壁となるような規制で、それを法律ではない所轄庁が定める「施行規則改正」でやってしまっていることには個人的には大きな疑問があるし、「インターネット異性紹介事業」の定義にひっかかりたくないコミュニティサイトは異性の出会いを求めるコミュニティが内部に形成されてきたのを知ったり知らされたりしたら検閲して潰していかない(そうしないと実態として出会い系サイトであるとみなされた時点で届出違反として違法になる上、その場合は他体は年齢確認義務にも違反しているとされるだろう)、というのも、表現の自由とかコミュニケーションの自由という観点からどうかと思う。なにしろ、「異性交際」は実際に出会うことに限定されていなくて、文字だけのメル友付き合いとかも入ってくるのだからね。ただ、最近の「子どもを守れ」の流れでは、これはもう止まらない流れ。大規模なコミュニティサイトを含むポータル事業者は最終的に折り合いをつけてのんだというし、ライブドアは、さっそく利用者に対しては、個々の出会い系サイト業者を信用しなくてもうちがかわりに認証するので大丈夫ですよ、中小事業者に対しては、うちが年齢確認するから負担小さくなりますよ、廃業しなくてもいいですよというサービスをアナウンスしてビジネスにつなげていたりする。
それはともかくだ。非モテSNSは、「非モテが集まって傷を舐めあったり、非モテな男女が出会ったりするSNS」と名乗っているのだから、コミュニティサイトに関する微妙な議論を抜きにして、出会い系サイトだ。警察庁の出会い系サイトの定義についてのガイドラインでは、SNSについて『サイト開設者がサイトの運営方針として「異性交際希望者」を対象としてサービスを提供していない限り、「インターネット異性紹介事業」には該当しません。』としているけれども、非モテSNSは直球で出会い系サイト。でも、サイトのどこにも18禁って書いてないし、捨てアドレスで登録したら幼児の年齢でも登録できちゃうよ。これは現行法でもまずいだろう。警察庁のネット規制頑張りすぎは困ったものだけれども、天然で何も考えてないでサイト作りつづけるのもどうかと思うよ。
テレコムサービス協会(正確にはテレサ協を事務局とする「違法情報等対応連絡会」だけれども以下ではテレサ協と表記)がインターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン(案)」等に係る 意見募集についてというのを21日締切で出していて、メインの「インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン」改訂については、あんまり問題を感じなかった。変更箇所がわかりやすくPDFファイル内に赤字で示されていて、わいせつ性の判断基準を少しいじりました(これで利用者が不利になる要素はない)、児童ポルノの定義を法律と揃えました(それはそういうものでしょう)、警察機関からの公序良俗に反する情報の対応依頼書を新たに追加しました(国家権力を背負った警察が違法でないものについて口出せるのはやや問題があるんだけど、それはテレサ協の問題ではなくて、テレサ協はただ書式を用意しただけ)、といった話にすぎないので。
もうひとつの「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」のほうが、どこがどう変更されたか、いまいち分かりにくかったので、ちゃんと読んでみた。現行と改訂案。
なお、「契約約款モデル条項」は、その名のとおり「モデル」なので、これが変更されたからといって、ダイレクトに利用者の権利が変更されるわけではない。ただ、業界のそういう動きを各ISPは見て動くだろうというのはあって、自前の法務部に実力があるような大手ISPはさらに独自の検討を行うかもしれないし、あるいはここにあるような検討をすでに行って反映しているかもしれないが、中小ISPはそのまま改訂案を反映させた契約約款改訂を行うところが少なくないだろう。
改訂はいずれも「禁止事項」(第一条)に関するもの。
もともと、この種の契約約款では最後に「その他」というキャッチオール条項があるので「対象をより明確にする観点」で改訂という説明は間違いではないのだけれども、結構もりだくさんな改訂ですね。さぁ、どう考えたものかな。
今回のパブリックコメント提出にあたって、私は無限責任中間法人 インターネット先進ユーザーの会(MIAU)の正会員として、、同会が別に提出しているパブリックコメントに意見を同じくするものです。
以下は、それに加えて、私個人として提出するパブリックコメントとなります。なお、指摘点が多数あるため、氏名と連絡先は冒頭に示し、以下の個別の記載においては省略しております。
指摘点: SafetyOnline3.1「ヌード」カテゴリおよび「性行為」カテゴリについて
内 容: キーワード「自慰」「排泄」「緊縛」はヌードカテゴリから削除するべきである。一方、性行為カテゴリのキーワードについては、「異性間・同性間の性行為」「自慰」「SM」「糞尿趣味」「フェティシズム」「獣姦」「性行為を連想させる行為」とするべきである。「緊縛」はキーワード「SM」の説明に含めればよい。「乱交」は、「異性間・同性間の性行為」のキーワード説明に追加すればよい。キーワード「変態性欲」「不倫」「官能小説」は削除すべきである。
理 由: 「ヌード」カテゴリは正確にヌードに関係する内容とするべきである。「自慰」は性行為が正しい。「排泄」については、いわゆる糞尿趣味は性行為カテゴリが適切と考えられ、一方、トイレ盗撮については擬似も含めて性犯罪カテゴリが適切である。性行為カテゴリについては、特定の性行為を「変態性欲」「背徳的」と記述するレイティング基準は、成人向けコンテンツの製作者等の間を含めてセルフレイティングを推進する観点からは、彼らを尊重するものといえず不適切である。ここでは性行為の種類を網羅すればいいのであって、ある行為が「変態性欲」か、「背徳的」か、といった予断をレイティング基準を使う側に与える必要はない。また、キーワード「不倫」「官能小説」については、これらは性行為を記述するキーワードとは言えないので単に削除するべきである。性行為や性愛の描写や表現でそれぞれのカテゴリに分類するべきである。
指摘点: SafetyOnline3.1「露出的な服装」カテゴリについて
内 容: カテゴリの説明の冒頭を「肌の露出性の高い身体の描写として」とし、キーワード「下着」の説明の冒頭について「セクシーさを強調する下着」とするべきである。
理 由: カテゴリの説明の「露出性の高い」の対象が明文化されておらず、キーワード「下着」の説明として、単に「下着を露出した姿態の描写」とあるため、単に下着を露出した描写が全て該当するように読める可能性が高い。単に下着を露出した描写は、実用下着のウェブサイトや実用下着の通販サイトなどのように、とくに青少年の閲覧を制限する必要性に乏しいサイトにも少なからず存在するため、誤解を避ける必要がある。こうしたメーカーや流通業者が運営している実社会のショッピングモール内の店舗では下着姿の女性を描写した大きな写真が掲げられていて店舗外から確認できることも少なくないが、社会的に全く問題となっていない。
本カテゴリに対応するネットスターのカテゴリ一の説明にも、「水着・下着・レースクイーンなどセクシーさを強調する画像の掲載やグッズの販売、フェチをテーマにした各種画像や情報提供」とあり、実際に上に挙げたようなサイトがこのカテゴリに分類されてはいない。
指摘点:SafetyOnline3.1「性暴力・性犯罪」カテゴリについて
内 容:キーワード「近親姦」の説明を「児童を対象とした近親姦、あるいは近親としての優越的地位を利用ないし強制を伴う近親姦の描写や表現」とするべきである。
理 由:日本の法令においては、西欧の一部の国とは異なり「近親姦」がただちに性犯罪となるわけではない。児童福祉法上の犯罪となる児童を対象とした近親姦、あるいは性暴力と言える範囲の近親姦とするべきである。なお、このように限定しても成人間近親姦ポルノグラフィの多くは性行為カテゴリや性愛表現カテゴリに含まれるだろう。
指摘点:SafetyOnline3.1「その他禁止行為」カテゴリについて
内 容:カテゴリー名を「その他犯罪行為」とし、カテゴリーの説明を「犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為を直接的かつ明示的に請け負い、仲介し、若しくは誘引し、又は自殺を直接的かつ明示的に誘引するもので、右のような記述を含むもの」と改めるべきである。また、キーワード「その他の違法行為」が広範すぎるので、説明中にある「不正アクセス、フィッシング詐欺」で置き換えるべきである。
理 由:カテゴリー名「その他禁止行為」は禁止の根拠があきらかでなく、カテゴリーの説明については「法律、条例その他の法規で禁止された取引や行為」は広範すぎ、青少年の閲覧がとくに不適切と考えられない情報をも大幅に制限することになる可能性があるため、カテゴリーの説明には青少年ネット規制法第二条第4項一号の定義をそのまま用いて、カテゴリーの範囲を「犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為」に限定するべきである。また、SafetyOnline3の検討過程では、2006年度に本カテゴリを思想信条、宗教に基づく団体などのサイトの排除に活用する方向の検討が行われていた事実がある。具体的には、2006年度RF研第3回研究会資料3において、『「反社会的な集団やカルト集団」(を追加しない件)については、暴力やテロ活動を行なう集団は「犯罪行為(その他禁止行為)」のカテゴリで対処できるが、示威活動や脅迫活動を行なうような集団はどう扱うのか?』という委員のコメントに対して『サイト上で示威活動や脅迫活動を行なっているサイトについては、カテゴリ「その他禁止行為」の項で対応できるよう、「口座売買、殺人依頼、脅迫など法律で禁止された行為に関する記述が含まれるもの」と加筆する。』とWGの考え方が示されている。脅迫行為は犯罪だが、示威活動一般は必ずしも犯罪とはいえず、むしろ言論・表現の自由に属するものであり、それを閲覧制限の対象とする方向で検討が行われていたということについて憂慮する。
上記WG見解がSafetyOnline3において『口座売買、殺人依頼、脅迫など法律で禁止された行為に関する記述が含まれるもの、その他法律、条例その他の法規で禁止された行為の手口に関する記述』となり、3.1では『殺人依頼、脅迫、口座売買、携帯電話無断譲渡』と『その他の違法行為』に分割された。『その他の違法行為』の「法律、条例その他の法規で禁止された行為の手口に関する記述」は、極めて広範であり、道路交通法や公安条例、その他、公安事件でしばしば見られる別件逮捕目的の軽微な逮捕容疑にかかるようなものまで含まれる可能性があり、そのような解釈は青少年が多様な政治的意見に接する機会を狭める可能性がある。また、思想信条、宗教に基づくレイティング・フィルタリングをしないという基本方針を実質的に逸脱する余地があると考える。このような解釈を招かないために、「その他の違法行為」というキーワードは削除し、「不正アクセス、フィッシング詐欺」で置き換え、不足があればキーワードはレイティング基準を見直すさいに追加するものとすべきである。
指摘点:SafetyOnline3.1「コンテキストラベル」について
内 容:「青少年に対する配慮」を拡大・分割し、12歳未満制限、15歳未満制限などの既存の自主規制の範囲のコンテンツを取りこめるようにするべきである
理 由:すでにインターネットはDVDやテレビゲームなどのパッケージメディアの販促にも広く用いられており、映画についても公開時のプロモーションサイトが設けられる場合が多い。また、過去の作品についてはワンソース・マルチユースということでネットコンテンツ化していくことも今後は増えると思われる。こうしたパッケージメディアや映画などは、すでに既存の自主規制の枠組のなかで、全年齢向けと成人向け以外のほか、PG12やR15などの中間的なレイティングを行っている場合が少なくない。こうしたレイティングを反映してカテゴリーによる制限の例外とすることができるようにすることは、青少年健全育成と青少年や保護者の利便性の両立をはかる上で必要である。
永遠にネットをさまよう公安個人記録 「亡霊のよう」という記事が ITmediaに載っていて、これは ZAKZAK から買ってきて配信している記事だというのはクレジットにあるとおりで、そこらじゅうのニュースサイトに載っているんだが、デタラメ。ほぼデマに近い。一般論として、ネットに流出した情報が消せない、という話はあるだろうが、これはそんな話ではない。事実を示すということと、2000年にサイトや個人の実名を明記する報道がされている(Wiredのような濃いところだけじゃなくて、Washington Postとか)ので、ここでは実名を出す。この ZAKZAK 記事が固有名詞を欠いているのは情報操作の可能性すらある。
「当時すでに退職していた内部関係者」は、現在はジャーナリストの野田敬生氏(なぜか知らないが彼のサイトとブログのESPIOはつい最近消滅している。メルマガのアーカイブだけは残ってるが)。「海外ホームページ」は、英語版Wikipediaにも載っている、John Young が開設したCryptomeだ。ここは、問題の公安調査庁職員リストを2000年に掲載した時のアクセス過多によるダウンがあったとか、2007年にNTT資本であるISPのVerioからAUPを理由に契約解除されたことでISPを移転したとか、そういうのを除けば、「消滅しており、データは抹消された」ことはない。
そして、問題のリストは、最新情報サイトであるcryptome.orgからアーカイブサイトとして後に設けられたcryptome.infoに移されたものの、いまだ堂々と公開されている(名簿スキャン画像による日本語版、英語に翻訳されたテキスト版)。FBI経由で削除云々の経緯も話もFBI側の担当者の実名込みでメールをさらす形で残されていて、これを読めば Young 氏が「アメリカの裁判所命令があれば削除するよ」とはっきり述べている。まずは、公安調査庁の上部組織である日本の法務省が「自分で」削除依頼出してねと。その上で裁判所命令となれば対処しますという話になっている(直接の表現としては、そうしないから削除しないよ、と述べているわけだけど)。そして、日本の法務省は現在に至るまで、Young 氏に対する正式な対応をとっていないからここにリストが残っているわけだ。「いたちごっこ」なんて、ないじゃないの。
「一般ユーザーでも専用ソフトを使ってキーワードを入力すれば、かなりの確率でダウンロードできる」とか、そういう問題じゃない。普通にWebブラウザで、Google 検索で、"PSIA lists"と入れれば、最初に出てくる。Winny も eMule も BitTorrent も要らないよ!
ただ、ひとつだけこの記事に興味深い点があるとすれば、「公安調側は何度も削除を試みている」とか「「可能な限り処置はした」という話が出てくる点。もしかすると、2007年のVerioの件は、日本資本が入っているということで公安調査庁として take down をムリムリ依頼して、明確な法的根拠を示さなかったので「AUP違反による契約解除」という以上の説明がYoung氏側にないという話なのかもしれない。例えば著作権侵害とかなら、Verioも手順を踏んで通知してきたというのが契約解除ネタの後半部分に実例がついていたりするのでわかるので、それがなかったということはかなりイレギュラーだし、そのわりにはVerio側が移転のための猶予期間をとったというのも、法的問題ではなかったことをうかがわせる。推測に過ぎないけどね。
もし、上記の推測があたっているとするとかなりマヌケな状況なので、法的に無理と判断してデマだけ流すことにしたと、むしろ信じたいなぁ…。
インターネット協会パブコメの件、中間とりまとめの本文に関する意見を中心にMIAUから提出しようと案を練っているところで、 レイティング・フィルタリング基準SafetyOnline3.1についても、あまり煩雑にならない程度には突っ込もうとは思っているんだけど、SafetyOnline3.1での年齢区分って、トンでもなくキツい状態で、いくら強制ではない目安という話とはいえ、ちょっと頭かかえちゃう状態。個別具体的にパブコメに書くべきかどうかはともかく。
ふと気になったのは、青年マンガ雑誌。雑誌は紙メディアとはいえ、いまどきは当然のようにWebサイトがあり、無料のマンガも少しだけ置いてあったりする。たとえば、ヤングマガジンは、新人漫画家の作品を無料で見せるコーナーのほかに現在および過去の連載作品の第1話を読めるコーナーもあったりする(全ての作品ではない)。ヤンマガというと、それなりに性愛表現があるほかに、ヤンキー的な世界を描いた作品が多く、ケンカのシーンも当然よくある。高校生が飲酒や喫煙をしているシーンが含まれる作品も少なくない。そうなると、SafetyOnline3.1では、上記のような無料閲覧コーナーは「性愛表現」「格闘」「飲酒・喫煙」などのカテゴリになり、それは「18歳未満利用制限」ということになる。ヤングマガジンってもう長いこと読んでいないので、あんまり作品を知らないのだけれども、例えば「工業哀歌バレーボーイズ」などはここで挙げたカテゴリ全てに該当すると判断される内容だろう。「湾岸MIDNIGHT」や「頭文字D」などの公道走り屋マンガは、道路交通法違反ということで「その他禁止行為」に分類されるかもしれない。講談社以外のヤングジャンプやビッグコミックスピリッツといった同じセグメントの雑誌のサイトは、ヤングサンデーほどには雑誌サイトからコンテンツをみせてはいないようだが、集英社マンガネットや小学館ソク読みといった形で単行本の有料オンラインコンテンツ販売をやっていて、そこで無料の試し読みもできる。SafetyOnline3.1のような厳しい基準では、青年誌はおろか、少年誌掲載作品でも、ひっかかるものは少なくないだろう。そして、ここで挙げたような雑誌は想定する中核読者は大学生ぐらいかもしれないが、下は中学生ぐらいからを考えている雑誌だろう。条例規制でもコンビニなどの流通自主規制でも成人誌扱いはされていない。
ただ、フィルタリングは流通規制ではなく受け手の選択なのだから、多少厳しくてもいいだろう、という意見はもちろんあるだろう。とはいえ、たとえば「露骨な性愛表現としてのキスの描写や表現」というのまで18禁はどうだ、という問題はある。最近、知人がYes! プリキュア5GoGo! お菓子の国のハッピーバースディ♪という映画にお子さん(小学校前)を連れて行って、キスシーンが出てきて軽く困惑したが、ま、いいか、的な話題をmixiに書いていた。というと、じゃぁ完全にお子さま向けアニメであるプリキュアがネットコンテンツになったら18禁なのか、という話だ。実際には、プリキュアの場合は、文脈をみる「コンテキストラベル」で「青少年に対する配慮」というのがあるのでそれで救済という話になるかもしれないが、キスシーンが「表現を抽象化したり、やわらげた」ものかどうかが問題になるし、「小学1年生に見せられる程度の配慮を基準とする」というので、プリキュアはひょっとするといいかもしれないが、もうちょっと上、小学校高学年ぐらいから対象を意図すると、インターネット協会的には18禁と判断しましょう、と言っていることになる。
こんなんでいいの?SafetyOnlineの過去の議論って、どう見ても清ければ清いほど望ましい的な純潔価値観が暴走してると思うんだ。みんな、ちゃんとパブコメ書いたほうがいいよ。
少し忙しくしたり体調ダメだったりした間にいろいろとネット規制・自主規制がらみの動きがあってパブリックコメント募集も出ているのだけど、とりあえず 、インターネット協会「青少年の安全なインターネット利用環境の整備を目指して関係者に望まれる取組みについて〜書き込み可能なCGMサイト増加への対応〜(中間とりまとめ)」について書いてみる。
この中間まとめそれ自体をどう考えるのか、というのもあるのだけれども、個人的にはその中の SafetyOnline3.1の問題についてとりあえず並べてみたい。SafetyOnlineは、インターネット協会が長らくやってきたレイティング基準策定の最新版だけれども、一般からの意見募集は今回が初めてだ。ということで、SafetyOnline3 から 3.1 への差分についての意見ではなく全体について過去の経緯を踏まえた形で意見を述べておく、というのは意味があるのではないかと思っている。以下、冗長かつまとまりがない形になるけれども、個別の話。
まず、「性行為」カテゴリの「キーワード」やその説明が、価値中立ではなく「青少年の安全なインターネット利用環境の整備」を越えた価値の押し付けになっている。「変態性欲」というキーワードに「SM、フェチ、獣姦等の変態性欲に基づく性行為」とあるのだけれども、Wikipediaにもあるように、この言葉は現代的には異常性を強調する偏見でしかなく、用いられるべきではない。言い替えの「性的倒錯」にしても、精神医学上の診断基準では、本人が苦しんでいるとか社会的に受け入れられない行動で困ったことになっているとか、いずれにせよ実害が存在していることが前提で、実害が無ければ単なる嗜好の問題としてスルーされるべきもの。レイティング基準でここに分類される行為が「性行為」カテゴリに入れられる意義は、性器を用いた人間の間の典型的な性行為以外のものを包摂することにあるのであって、異常性を処断するためではない。したがって、なんらかの適切な言い替えが必要になる。そもそも、このキーワードがなぜここに存在するのかといえば、SafetyOnline3で検討で既存のフィルタリングソフトのカテゴリを参考にしたがゆえで、既存のフィルタリングソフトのカテゴリは国産であってもアメリカのフィルタリングソフトのカテゴリを引き継いだ、あるいは影響を受けた経緯があり、アメリカでは、そもそもキリスト教文化のもとソドミー法が2003年までいくつかの州で生きていたということがある。ソドミー法は最終的には同性間の性行為を処罰することについて違憲が確定したけれども、そもそもの禁止対象ははるかに幅広い、男女間の性器による性交以外の性行為を取り締まるものだった経緯があり、それは「変態性欲」のリストとかなり一致する。SafetyOnline3でも、当初は同性愛を「変態性欲」に分類して発表したが後でこっそり差し替えたことは以前述べた。必要以上の価値の押し付けをするべきではない、という見地からは、「乱交」について「背徳的な性行為」とわざわざ分類する必要はなく(「異性間・同性間の性行為」に含まれる)、キーワードとしても3人以上によるとか多数によるといった表現で十分だろう。「不倫」に至っては、具体的な性行為描写があれば他のものに包摂されるだろうし、そうでなければ「性愛表現」カテゴリで十分だろう。「官能小説」も同様。
「性暴力・性犯罪」カテゴリも若干問題で、「近親姦」というキーワードがあり、少なくとも片方が18歳未満の児童である近親姦が日本において児童福祉法違反の性犯罪であることは間違いないし、また典型的な近親姦が性暴力であることは疑いないのだが、では成人間で性暴力ではないケースはどうなるのだ、という話がある。直近に話題になったものではオーストラリアのJenny Deaves と John Deavesのケースがあり、これはオーストラリアでは二人とも有罪となったケースだが、日本において同様のケースがあっても性犯罪でも性暴力でもなかろう。別の記事によればヨーロッパ内でも成人間の近親姦が犯罪になるかどうかは国によって異なる。この分類も、結局のところインセストタブーが極めて強い文化の影響を受けているということだ。一般論として、どこまでの近い血縁がインセストタブーに属するかは国や文化、そして年代によって異なるし、日本の近代においても、赤松啓介が『非常民の性民俗』で述べたように社会階層によっても大きく意識が異なるものだったという論が存在しているので、それがそのまま横滑りで入ってきていることには違和感がある。いずれにせよ、日本においては「近親姦」を直接のターゲットとした犯罪化が行われているわけではない(児童福祉法も児童淫行罪が適用されるのであって「近親」との関係が特別扱いされる条文ではない)のだから、正確さを欠いているように思うし、価値の押し付けの恐れがある。
「ギャンブル」カテゴリにおいては、パチンコ、パチスロと「競馬、競艇、競輪」を同列に置いているところに問題がある。パチンコ、パチスロは18歳未満をアクセス対象から完全に除外することが容認されうるが、競馬、競艇、競輪はそうではない。競馬、競艇、競輪に競技者として携わるということは10代の児童の進路の選択として存在していて、それらのための学校の入校資格は中学卒業が下限である。進路にかかわる情報として、遅くても中学生以上にこれらの情報にアクセスを許容する必要があるのではないか。もちろん、馬券、車券などのオンライン購入(がもし可能でもそこ)まで許容する必要はないし、単に賭ける立場からの予想などの情報へのアクセスも許容する必要はないだろう。しかし、「ギャンブル」カテゴリがそこまで限定的なものとは読み取れないし、コンテキストラベルの「スポーツ」「教育」による例外措置で救済できる範囲は十分ではないのではないか。
「その他禁止行為」カテゴリのうち、「その他の違法行為」が、「不正アクセス、フィッシング詐欺等」の例示があるものの、限定列挙ではない点が問題だ。SafetyOnline3の検討過程においては、一部の「過激」な政治的コンテンツをこれを口実としてレイティングしてアクセス制限するという議論が登場している。どうやら想定されているのは街宣右翼や暴力的な新左翼党派のようだが、それに限定されず、「政治的ビラの集合住宅ポストへの投函」や「首相私邸外観見学ツアー」なんかも入れたがる人達はいるだろうね!あと、最近の流れだと、自衛隊員(幹部)が懸賞論文に応募しちゃう話、とかね!第三者レイティングとしてもセルフレイティングとしても、「その他」はないだろ、と思うよ。
コンテンツ分類についてはこれくらいだけれども、最後にコンテキストラベルについて。芸術、教育、医学、スポーツ、青少年に対する配慮、というのがあがっているのだけれども、これじゃ足りないんじゃないかな。純文学・古典文学などは芸術の文脈に入ると明示しないと、学校の教科書に載ったり、入試で出たりするような本が著作権切れでネットにあってもアクセス制限対象って話になりかねない。それから、歴史、あるいは歴史的文書といったラベルも必要だろう。歴史なんて、暴力的な内容で溢れているし、思想家でも革命を語っているようなもの、マルクスとかレーニンとか北一輝とか、(厳密に考えてないが)「客観的」にカテゴリでひっかかる可能性がある気がする。でも、中高生ぐらいだったら読みたい奴が読めないのはおかしいしね。
高木さんの指摘しているグーグルの「駐車場荒らし」事例は、どうやら例外ではないようだ。
(川崎)市営中野島多摩川住宅1号棟も該当する。リンク先はあえて、入り口部分の公道にしてあるが、そこから南西方向に進むことで駐車場アクセス私道へと侵入していく。降りている車止めが確認できるし、もう一端の口では車止めが上がっていてチェーンがかかっていることもわかる。これが公道でないことは見れば分かるレベル。
別の例としては、 八王子市のパークヒルズ目白台へのアクセス道路と駐車場敷地(リンクは公道部分から) 。公道側の歩道が切れておらず(交差点となっていない)、たどっていけば、これが駐車場と切れ目がない私道であることがわかる。この近辺では、UR都市機構グリーンヒル寺田(棟が多数あり間を通る公道もあるがリンク先から入る部分は私道と思われる)も該当する。
川崎市南部では県公社戸手団地の例があった(公道との境界をまたぐ直前)。
楠さんがふれている「STOP!架空請求!」偽サイトの件だけれども、これは本当に偽サイトだったようのなので一応指摘。
まず、報道レベルでは産経新聞10月9日報道に、
都によると、偽サイトは、タイトルや注意を呼びかける文言などが都のサイトと酷似しているが、「優良アダルトサイト集 不正の無い優良サイトのみを集めました」との表示があり、クリックするとアダルトサイトの選択画面に切り替わるという。
「STOP!架空請求」酷似のアダルトサイトに削除要請 東京 - MSN産経ニュース 2008.10.9
とある。単に標語が同じ、というレベルではないという話だ。そこで、タイトルで検索をかけると、 http://394.be/stop/ というサイトが結果に出るのだが、現在は 404 Not found ということだ。ここで、 Google検索キャッシュ(2008年9月1日のもの)を確認すると、東京都のサイトと酷似、というか、東京都という痕跡を消しただけのほぼ同一の内容が出てくる。最後の「優良アダルトサイト集」についての文言は完全に一致。 トップページだけではなくて、細部にわたって東京都サイトのほぼコピーであることは、Google検索結果から、個々のキャッシュ結果をみて東京都サイトと比較すれば一目瞭然となる。著作権侵害を理由とした削除請求が成り立つレベルで、これはこういうものじゃないだろうか。
ちなみに、東京都は3年前の 「STOP!架空請求!」の開始にあたって大手ISPのグラビアサイトに啓蒙バナー広告を出したとのことがあり、対象とされる層にそこそこの認知度はあるのではないかと思う。 検索してみると、「出会い系サイトリンク集」や「出会い系サイト攻略法サイト」といった類のサイトでは、東京都のサイトをリンクしたりURLを記載して紹介するのは定番のひとつのようで、また、今回の問題のサイトのURL階層をひとつ上に上がってトップレベルをみれば、自称出会い系無料掲示板であり(リロードを繰り返せば写真とメッセージがランダム表示され、これが出会い系サイトとしても偽サイトである可能性が高いことが分かる)、その最初に今回の偽サイトへのリンクがある。東京都がリーチしようとする層を考えれば、ケータイの世界ではサイトURLの確認が一手間あって閲覧中にそうしばしば見るものではないこと、あるいはキャリアによっては確実なURL確認機能自体が 提供されていなかったりすることもあり、これが無視できない偽サイトぶりだったという推測もつく。
追記: 問題の偽サイトに誘導するリンクが設置されているのは、親階層のみではない。どうやら親階層と同様の自称出会い系サイトが多数あるようだ。spamからたどりついたというはてなブックマークコメントあり。いろいろみると、単一のところがキーワードを使って半自動生成したサイトを多数運営している様子。
以前言及した広島市の携帯電話フィルタリング条例のその後なのだが、画一的な統制をより好ましいと思う発想はやはり根強いらしい。
中国新聞10月8日報道では、携帯電話販売店舗へのサンプル調査で、18歳未満新規契約の携帯電話の3—5割について保護者の意思でフィルタリングが解除されたということについて「フィルタリング条例に抜け道」というタイトルをつけて報じている。
18歳未満に販売する携帯電話に有害サイトの閲覧制限(フィルタリング)機能を付けることが条例で義務化された広島市内の一部店舗から、「保護者の要請で機能解除されたケースが3割—5割ある」と市教委に報告があったことが7日、分かった。子どもを守るための条例も、保護者の手で「抜け道」があることになり、啓発などの対策を急ぐ。この日の市青少年と電子メディアに関する審議会(会長・越智貢広島大大学院教授)で市教委が説明した。
フィルタリング条例に抜け道 - 中国新聞'08/10/8
「抜け道」という表現が広島市教育委員会によるものか、それとも中国新聞独自のものかは分からないが、「対策を急ぐ」とされているのだから、条例で保護者が機能解除を選択できる(これ自体は当たり前で、その選択を奪うことは違法の可能性が強いだろう)にも関わらず、そのような選択は「対策」されなければならないという認識がここにはある。現状の携帯電話フィルタリングが望ましい内容でないことは、今後の改善が発表されているようにもはや多くの関係者の共通認識であり、さらに、改善の方向性が保護者によるカスタマイズを含むものである以上、そもそも、「フィルタリングをする/しない」の境界は曖昧・私的なものとなっていくわけだが、広島市などでは、そのような方向性は望ましくなく、一定の情報統制を公が民に押し付けるべし、という価値観が優勢なのだろうか?
直近のはてなが契約者固有IDをケータイから送信させるようになった件のエントリーについての反応と思われるものに
劣化するって、昔から上等だったのかよ、とかいうと悪態って言われるのかしらん。
Twitter / KUROSAKA, Tatsuya
というのがあった。これは慧眼。
早速のはてなの対応は事後的なプライバシーポリシーの改訂の発表だった。そもそもの高木さんや私の問題意識からいえば、これは「解決」ではないが、一事業者として契約者固有IDを集めることにした、ということを理由込みで正式に発表した、というのは、やらないよりはいい話…だと思うでしょ?でも全然ダメなんだ。
上記の発表が行われた「はてなの日記」は、はてなグループを使って実装されたはてなの公式告知用グループの上にある。でも、はてなグループはポケットはてなのコンテンツではない。上記発表記事をiモードブラウザで見れば、サポートされていないものだということはすぐわかるし、何よりもポケットはてなに属するケータイ向けページの各ページのナビゲーションリンクの「お知らせ」をクリックして表示されるのはポケットはてな日記で、ここには現時点ではプライバシーポリシーの改訂への言及は無い。
それ以前の問題として、ケータイからはてなを使うユーザーに提示されているプライバシーポリシーは何か、ということがある。ポケットはてなのナビゲーションリンクには「プライバシーポリシー」という文字列は存在しない。利用規約の下、という一段下の構成になっている。これはGoogleが本国で散々批判されて改めた点だったと思うが、今回はそこは置いておこう。問題は、そこにあるポケットはてなプライバシーポリシー。これ、はてな全体のプライバシーポリシーと同期がとれていない。
「(2)個人情報の取得」には、今回の「個体識別番号」に関する変更は反映されていない。「個人情報用途表」については、全体のものへのリンクとなっているので齟齬はないが、全体のものが置かれているのがはてなグループ上なので、ケータイでの表示が崩れる未サポートサイト上となっている。そしてだ。「(15)改定履歴」を見ると、本サイト上の履歴にはある2008年分の変更履歴がない。ということで、なんと、 ケータイ上では個人情報管理責任者の所在地がいまだに鉢山町のNTTコミュニケーションズのビルという事態に。東京オフィスも移転してもう無いって話だよね?
劣化とかそういう問題じゃなくて、すげーいい加減な運営してない?hatelaboみたいな片手間実験サービスじゃなくて、「ドコモ公式サイト」だよね?
タイトルは釣りじゃないです。
まず、ここで述べる話の前提として、高木浩光氏の日記の以下のエントリを挙げておく。
9月25日に、はてなは「モバイル版はてなダイアリーにデザイン設定機能を追加しました」という告知を行い、別途プレスリリースも出している。これは告知やプレスリリースを見る前に、帰宅途中にドコモのケータイではてなダイアリーを見たときに分かった。iモードブラウザのブックマークにいくつかのはてなダイアリーを入れておいて、通勤電車の中でちょっと読んだりするもので。
このタイミングで、このブログのはてなブックマークの新着エントリー一覧を眺めてみた。はてなはケータイサイトのポケットはてなでのブックマークと、通常サイトのブックマークでURLが異なるのだが、後者でないと新着エントリーや個別のブックマークユーザの確認はできないはずなので、これまで、通常サイトでのURLをケータイのブックマークに登録していた。通常のJavascriptてんこもりのページをレンダリングしようとして、iモードブラウザでのレンダリングは崩れているのだが、支障はない。いつものことだ。ところがここで、新着エントリー一覧は普通に見ることができたのだが、個別のブックマークを確認しようとしたら、
このページはまだブックマークされていません
と表示された。そしてURLをみると、"guid=on" と、query文字列に入っているのだ。
ここで、モバイル版はてなダイアリーを閲覧してみて、iモードブラウザの機能でURLを確認すると、"guid=on" と query文字列が追加されていることに気づいた。
つまり、はてなのケータイサイトであるポケットはてなは、一切の告知なく、常に契約者固有IDをケータイから送信させるようになった、ということだ。これは、ポケットはてなへのログインとは何の関係もなく行われているし、コメント投稿などにも限定されていないので、「発信者情報開示請求のため」に限定されるものでもない。
はてなも、スーパーcookie的な固有ID利用によるサイト横断の行動ターゲティング広告の一翼を担います、ということなのだろうか。
ケータイフィルタリング騒動はいまだ続いていて、というか法律もできたし、ということで「取組強化」のなかで問題点の具体的な修正というフェーズに入ってきている。
カテゴリの問題については、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)が9月4日に意見書を各携帯電話会社に提出し、それを受けて、電気通信事業者協会(TCA)発表にあるように、18歳未満既存契約者へのフィルタリングサービスのデフォルト化と、EMAの認定サイトの反映とカテゴリの見直し、そしてユーザー単位のカスタマイズを可能に、といった施策が各携帯電話会社を行う。具体的な内容は、各携帯電話会社ごとということになる。
EMAの意見書では、「アクセス制限とすべきカテゴリー」についても、よく読むと既存のものそのままでいいとしているわけではないが、カテゴリの中身の見直しは携帯電話会社というよりはフィルタリングのデータを作っているネットスターの問題なので、携帯電話会社ではとくにふれていないようだ。本題は「対象外とすべきカテゴリー」。検索キャッシュ、同性愛、宗教、政治だ。これらのうち、検索キャッシュはイー・モバイル特有で、その他はNTTドコモ、イー・モバイル、ウィルコムが現状でアクセス制限対象としている。イー・モバイルは現時点で個別のプレスリリースがなく、ウィルコムはTCA発表と同水準の粒度の発表に留まっている。au と ソフトバンクモバイルはアクセス制限カテゴリの見直しには論理的に関係しないのでふれていない。キャリアとしての規模も考慮すれば、EMAの「対象外とすべきカテゴリー」は実質的にNTTドコモへの意見と言っていいだろう。そして、 NTTドコモは、かなり詳細なスケジュールやサービスイメージを含めた報道発表を行っている。
このNTTドコモの発表によれば、アクセス制限カテゴリの見直し自体は行われ、その内容はEMAの意見書と同様となる。しかし、それは、「2009年1月9日以降」「新規で「iモードフィルタ」をお申込みのお客様」を対象としたものだ。18歳未満の既存契約者でアクセス制限サービス未契約の場合の意思確認のデフォルトもここに入る(2009年1月下旬以降)。「iモードフィルタ」の既契約者(2008年2月以降現在まで)、および、今後1月9日までの新規契約者は、1月9日以降も既存のカテゴリによるアクセス制限が適用され、新規分類に移るには、別途の申し込みとなる。これには、2008年2月以降の多くの18歳未満の新規契約者・利用者が含まれていることだろう。
EMAの意見書では同性愛について
同性愛でも性的な情報を含むサイトはアダルトカテゴリーに分類されており、青少年にとって同性愛自体が有害とは考えられない。性同一性障害については、国内外においてもその理解は進んでおり、同性愛者への差別、青少年の同性愛への偏見を助長することも考えられるためアクセス制限対象カテゴリーとすべきでなく、カテゴリー自体の必要性の有無についても検討が必要と考える。
携帯電話事業者が提供する「特定分類アクセス制限方式(いわゆるブラックリスト方式)」におけるアクセス制限対象カテゴリー選択基準に関する意見書 - 有限責任中間法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構基準策定委員会
としており、宗教については「基本的人権としての信仰の自由」を理由とし、政治については「投票権はなくても青少年にとって生活一般に関わる情報」だとしている。これらのカテゴリについて、かなり強いトーンで制限することの問題性を指摘している。
NTTドコモは、「正しい通信キャリアのありかた」として、「意思確認なしに提供条件を変更できない」と判断して、わざわざ既存の制限を残す方針をとったとも考えられる。しかし、それならば、「18歳未満の既存契約者に対する意思確認」と同じ方法で、サービス内容変更の意思確認をとることは十分可能だろう。デフォルトでカテゴリ見直しとして、既存の制限カテゴリの維持を求める契約者の意思表示を求めてもいいし、あるいは同時にスタートする「カスタマイズ機能」で既存の制限カテゴリと同等の内容を実現できるという案内をしてもいいはずだ。
にもかかわらず、少なくないユーザーが現状のカテゴリ制限に残るであろう形をとる、というのは、EMA意見書にあるような差別や人権などに言及した指摘について、NTTドコモはいったい何を考えているのだろうね。
地域情報化ネタって全然追ってなくて、まったく素人なんだけど、最近のブログ界隈の議論をみていてなんでもそこに引きつけて語るのって違うんじゃね?と思ったのでちょっと。
地方でネットの利用が進んでないのはある程度想像できるとして、東京都にも「地方」並の例がありますよっと。
東京都にも「地方」があるよ、という話。 - POLAR BEAR BLOG
といって、以下、青梅市公式ページ内の青梅マラソンのページがいかにそっけなくパンフレットのPDFを貼っているか、ということを語って「紙媒体が一番、ウェブは二の次」だったのではとのことなのだけど、それはかなり間違った認識なんじゃないかな、と。
そもそも、スポーツ競技イベントというのは、万人が参加するものなのか、できるものなのかというと、違います。まず、競技を成立させるために、規模に一定の枠をはめています。小林さんが比較対象としている東京マラソンでは、一般ランナーは抽選制であり、青梅マラソンでは小林さんが書かれている「毎年1万5千人以上」という規模は、一般ランナー30kmの部1万5千人、10kmの部5千人という枠があらかじめあり、先着制です。走りたいひとは定員よりたくさんいるのが実態と考えられ、エントリーのレベルで「集客不足」という状況にはないでしょう。走りたそうな層に確実にリーチできれば、その外に参加者を募る必要はないイベントのように見えます。
加えて、長距離走という競技がけっこうハードだというのも、ここでは重要でしょう。小学校の運動会で「じゃぁパパ走っちゃうぞ」とは、ちょっと違うレベルのものです。大会要綱をみれば分かりますが、この大会は招待選手もいて全日本陸上連盟のポイントの対象となる、という、上のレベルはかなり高いものですし、中間地点やゴールなどでの時間制限からすると、ジョギングぐらいのスピードでも走り続けられる人が対象で、ちょっと走ったらあとは歩くしかない、というレベルの人は対象外です。日常的に走っている人なら難しくないでしょうが、普段何もしていない人が出来心で出られるレベルには見えません(10kmの部は女子は全年齢だけれども男子は高校生と40歳以上のみ)。ということで、この大会では、アマチュアでもそれなりのスポーツ愛好家にリーチできればよく、その範囲での参加の利便性が高まればよい、というのが妥当なところでしょう。
そして、利便性についてですが、PDFの要綱をみるとスポーツエントリーとRUNNETのURLが書いてあります。前者はさまざまなアマチュアスポーツの大会参加手続きを行える決済機能つきのサイトで、後者はランニング専門の同様のサイトです(後者は専門誌の雑誌社が運営)。すでにスポーツエントリーでもRUNNETでも専用エントリはできていて、受付開始日を待っている状態です。それぞれ、公式サイトのPDFの内容はおおむね網羅されたデータをHTMLの文書として読むことができます。ランニング愛好家は、青梅のいろんなイベントに出たい人たちではなくて、マラソンのいろんな大会に出たい人たちですから、この種のサイトで他の大会と一緒に参加要綱をみることができ、申し込みができ、データを蓄積できたり、あるいは愛好家同士で交流できたりする、という文脈に青梅マラソンの情報があるので、すでに利便性は十分にあるのではないでしょうか。ここで、青梅市公式サイトの中の公式ページからスポーツエントリーやRUNNETに直接リンクが貼ってあれば、より親切ではあるでしょうが、大勢に影響はないでしょう。
そんなわけで、青梅マラソンは不適切な例だと思うのですが、世の中に課題がないわけではなくて、前述のようなスポーツ参加ポータルに情報が載らないイベントも多数あるでしょう。私はスキーの大会目当てでスポーツエントリーと、もうひとつデジエントリーにアカウントを持っていますが、両者に出てこない、申し込みが不便な大会も結構あります。FAXや郵送前提とか、より極端には、開催スキー場に通ってる人前提の現地事前申し込みのみ、というのも見たように思います。まさに公式サイトにそっけなくPDFとかHTMLでパンフレットの内容が置いてあるだけで、あとはネットを使わずにやらないといけないというケースは多く見ます。ただ、その解決は地域ポータル的な話ではなくて、この場合であればスポーツ系のポータルにどう情報を載せてもらうとか、どこでもいいので決済サービスを使ってもらうとか、そういうのを(ポータルはすでに営業活動をしているんだと思うのだけれどもそれとは別に)どう促進していくかという話になるんじゃないかと思います。そして、スポーツ参加以外でも、趣味性が高い参加型イベントの場合は、大抵は地域じゃなくてイベントの属性にあってどう情報を流してもらうかのほうが重要なんじゃないかと。
先の国会で「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」いわゆる出会い系サイト規制法の改正があっさりと成立し、その結果、警察庁から「「インターネット異性紹介事業」の定義に関するガイドライン案」及び「インターネット異性紹介事業者の閲覧防止措置義務(いわゆる削除義務)に関するガイドライン案」に対する意見の募集についてとインターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行規則の一部を改正する規則案に対する意見の募集についての2本の意見募集が開始された。前者は任意の意見募集であり、後者は行政手続法に基づく意見募集であるため、締切りが前者は9月5日、後者は9月20日と、後者には若干余裕があるが前者はほとんど時間がない状況だ。
今回の出会い系サイト規制法改正でもっとも大きいのは、サイト開設者に事前届出の義務が罰則つきで課されている点で、後者のパブリックコメント募集はその具体的な手続きを施行規則として定める部分が中心となっている。ただ、今回問題にしたいのは前者の「ガイドライン」について。なかでも「「インターネット異性紹介事業」の定義に関するガイドライン案」のほうだ。
従来から、出会い系サイト規制法には「インターネット異性紹介事業」の定義が曖昧だという批判があった。コミュニティサイト一般を含みかねない、ということだ。ただ、従来は、サイト開設者の観点では、問題になるような18歳未満がかかわる書き込みが放置されるかどうかが問題であって、自身の事業が定義にあてはまっているかどうか、というのは、大きな問題ではなかった。
今回、届出義務が発生することで、そのような曖昧さはそのままに出来ない。18歳未満を排除する運営をきっちりやっていようが、削除義務が発生するような書き込みを積極的にパトロールして削除していようが、「出会えないサイト」とする努力をしていようが、該当性判断でインターネット異性紹介事業となるものが届出していなければ、刑事罰の対象となる。もっとも、コミュニティサイト関連の事業をむやみやたらと萎縮させることが法律の意図ではないはず、というのが法案が国会に出る前から議論されていて、従来のガイドラインを上書きする形で新しいガイドラインの案が意見募集という形で公表された、というのが今回のものになる。
ということで、今回のガイドライン案の具体的な中身だが…、やっぱりダメではという感じがする。
基本的な骨格は、従来と変わっていない。「異性との交際」というのは、「男女の性に着目した交際」であり、異性であることへの「関心が重要な要素となっている感情」に基づくものであれば、「他人と知り合い、交流する行為全般」が対象であり、リアルワールドで対面しないものを含む。つまり、サイト内で完結する関係でも該当する。そして、「サイト開設者がサイトの運営方針として、「異性交際希望者」を対象としてサービスを提供している」ということが「インターネット異性紹介事業」にあてはまるかどうかの要件であって、個々の利用者の意図にはかかわらないとしつつも、
なお、異性交際目的での利用を禁ずる規約等に反して利用者が異性交際目的で利用している実態がある場合でも、サイト開設者が異性交際を求める書き込みの削除や当該投稿者の利用停止措置を行っていれば、当該サイトは、 基本的には「インターネット異性紹介事業」に該当しませんが、当該書き込みを知りながら放置するなど、サイト開設者がその実態を許容していると認められるときは「インターネット異性紹介事業」に該当する場合があります。
ということで、「異性交際目的での利用を禁ずる規約等」を設けて、notice and takedown の手続きをとるなどしていなければ、いつのまにか「インターネット異性紹介事業」に該当しうる、ということは、従来のガイドラインと変わっていない(なお、積極的な監視義務までは負わせてはいない)。
以下、該当性判断の具体例をみていく。
問 いわゆるSNSは、「インターネット異性紹介事業」に該当するのか。
(答)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)とは、一般に、会員制をとり、参加者が互いに友人を紹介し合うなどして、共通性を持つ新たな友人関係を広げるサイトのことを言います。このようなサイトは、サイト開設者がサ イトの運営方針として「異性交際希望者」を対象としてサービスを提供していない限り、「インターネット異性紹介事業」には該当しません。
なお、サイトの運営方針として「異性交際希望者」を対象としてサービスを提供していないことを明らかにするためには、利用規約等においてその趣旨を明確にし、これに基づく措置がとられていることが望ましいと考えられます。
日本に拠点はないが、facebookのアプリケーションには出会い系機能をもったものもあったような気がするが、どのように評価されるだろう?
問 あるサイトが、開設者が知らないうちに実質的に出会い系サイトとして利用されていた場合、そのサイトは「インターネット異性紹介事業」に該当するのか。
(答)
自らが運営するサイトが知らないうちに、実質的にインターネット異性紹介事業に利用されていた場合、サイト開設者はサイトの運営方針として「異性交際希望者」を対象としてサービスを提供していないことから、基本的には「イ ンターネット異性紹介事業」には該当しませんが、異性交際を求める書き込みを知りながら放置するなどサイト開設者がその利用実態を許容していると認められるときは、「インターネット異性紹介事業」に該当する場合があります。
従来のガイドラインにもあった項目だと思ったが、閑古鳥が鳴いてるサイトならともかく、ある程度の利用実態があるところで「知らずに放置」がありうるかというと、サイト利用者の誰かがサイト開設者に「通報」すれば知らなかったという実態はなくなり、もし「異性交際を求める書き込みを禁止」する項目が規約にないということで放置しておくと、該当する可能性があるということになる。
問 サイト開設者は「異性交際」を目的としないサイトとして開設しているものの、当該サイトの中に利用者が異性交際希望者を対象としたジャンルを設け、サイト開設者が提供するサービス(利用者間で一対一の連絡をす ることができる機能等)とあわせて実質的に出会い系サイトとして利用されていた場合、当該ジャンルは「インターネット異性紹介事業」に該当するのか。
(答)
サイト開設者ではなく利用者が当該ジャンルを設けている場合でも、サイトを更に細分化したジャンルがサイト開設者が提供するサービスとあわせて独立した一つのサイトとしての機能を果たしており、かつ、当該ジャンルの存在や 異性交際を求める書き込みを知りながら放置するなどサイト開設者がその利用実態を許容していると認められるときは、当該ジャンルのみについて「インターネット異性紹介事業」に該当し、サイト開設者が「インターネット異性紹介事業者」に該当する場合があります。
ここの最大のポイントは「「インターネット異性紹介事業者」に該当する場合があ」るのは、そのジャンルを設定した利用者ではなく、サイト開設者だという点。また、「サイトを細分化したジャンル」が「独立した一つのサイトとしての機能を果たして」いれば、当該ジャンル部分のみに限定して「インターネット異性紹介事業」に限定可能ということであって、独立性がなければ「インターネット異性紹介事業」にならないかというとそうではなく、おそらくは全体がそうみなされうるという点だろう。コミュニティーサイト開設者としては、「ジャンル」や「コミュニティ」の設定を完全にユーザーに開放すると、「インターネット異性紹介事業」に該当することになる危険があることになる。しかも、「異性交際」であれば、「リアルに出会う目的かどうか」は問題にならないから、インターネット異性紹介事業者として届出をしない前提では、かなり幅広いものを禁止する必要がある。もっとも、すでにある程度の事業規模があれば、18歳未満ユーザーと18歳以上ユーザーが出来ることに大幅に違いをつけて、後者の部分について実態にかかわらずインターネット異性紹介事業として届け出ておくという割り切ったアプローチもありうるのかな、とは思われる。
問 複数の事業者が分担してインターネット異性紹介事業を行っている場合には、各事業者は「インターネット異性紹介事業者」に該当するのか。
(答)
例えば、A会社がサイトの運営を、B会社が顧客管理をそれぞれ担当し、両社が共同してインターネット異性紹介事業を行っている場合、共同して行う事業が全体として「インターネット異性紹介事業」に該当することから、両社と もに「インターネット異性紹介事業者」に該当します。なお、「共同してインターネット異性紹介事業を行う」というには、それぞれの者が、一のインターネット異性紹介事業を共同して行う意思を有していることが必要です。
OpenIDとか使って出会い系サイトを作ると、どうなるんだろうね。「共同して行う意思」がないからサイト運営者だけがインターネット異性紹介事業者で、OpenID プロバイダーは関係ないということなのか、「共同して行う意思」がないからそもそも許容されない形態という意味なのか。mixi OpenIDなんかは、mixiプロフィールページへのリンクをサイト側で設定できて、そのプロフィールページに性別の記載があるので例としてうってつけかもしれない。現実に現れたらmixi はガイドライン の「その他」の項にあるような形で「認証を停止」するんじゃないかと予想するけど、ね。
Googleストリートビュー問題についてはてブで追いかけていて気づいたのだが、北口学さんというジャーナリストの方が「ストリートビューというサービス開始の日ー爆発的に増殖する深刻な問題を見つめて」というネット連載を書いていた(上記連載の本サイトはジャーナリスト・ネットというところで、北口氏は日本人権ジャーナリストの会事務局長でもあるということ。日本人権ジャーナリストの会はごく最近設立された団体だが、設立が朝日新聞で報道されている)。北口氏について私はこれまで知らなかったのだが、名前でググるとキャリアが長い方のようだ。
その北口氏の上記連載を通読したところ、すでに部落差別に関連して結構いろいろ起きているようだ。2ちゃんねるのスレッドで部落差別と結びつける形で特定の場所の位置を公開し、ストリートビュー写真が削除されれば、事前に保存しておいたその写真を画像アップローダーで公開して示す、といったことになっている。ただ、これはGoogleがオプトアウトであることも問題だが、悪意は別のところから来ているのですべてをGoogleのせいだというわけにもいかないかもしれない。
一方、気になりつづけている空白地帯問題だが、最初は1ヶ所だけしか認識していなかった大規模被差別部落との相関について、私自身は土地勘がまったくない都市だが空白地帯のいくつかについて調べると、そこもまた被差別部落の地名として著名、といった状況があることがわかった。ただ、空白地帯とそうでない部分の境界と部落との関係がどこまで密接なのか、というのは、さすがに簡単にわかる公開資料程度では分からない。問題の性質上、そんなものがネット上に簡単に見つかるわけがない(差別を意図した掲示板への地名列挙の書き込みといったものは見つかるが信頼できる資料になりえないのは当たり前だ)し、見つかってもまずいし、そもそもそこまでセンシティブなものを私が追いつづけるのが適切かというと多分適切でない。ということで、一般にも著名な部落問題の研究者(誰なのかは少なくとも今のところは伏せる)に、本件についてご意見を伺うべく、問い合わせのメールを出してみた。まったく面識がない方なので、どういうことになるかは分からないが。個人的には、本件(Googleストリートビューと部落差別の関係)については「部落差別問題へ取り組むことを主要な関心としているわけではない私が被差別部落の正確な場所について詳しくなることが適切とは思えない」という事情により、今回連絡をとった研究者の方や、あるいは北口氏のような専門性の高いジャーナリストの方に引き取ってもらって撤退したいと考えている。
最後に、私の見込みが当たっているという仮定でのこの問題についての意見だけれども、Googleストリートビューが仮に存続しつづけるとした場合、公開範囲は大幅に制限する必要があるだろうし、また、サポート範囲の道路の縁取りもやめるべきだと思う。ストリートビューとしての有用性は、場所を起点として道路からの風景を眺められれば十分で、どこが撮影されていてどこが撮影されていないのか、という俯瞰的な視点を厳密に提供することの有用性は薄いのではないか。もっとアバウトに、どのあたりの区域が撮影されているかを面で色分けする程度でいいのではないか(この場合、その中の空白地帯はサポート範囲として色をつけて他の地域と区別できないようにする)。
追記: 上記の著名な研究者から返事を頂いた。それによると、当該都市のストリートビューで部落を識別できる状況にはないとのこと。中途半端に知られている地名で余計な心配をしてしまったのかもしれない。まぁ、私の心配事がFUDで済めばそれはむしろ幸いなので悪いことではない。
前のエントリでは、Googleストリートビューについて、まだあまり出ていなかったであろう論点を出してみたのだけれども、ここらでやや包括的に。
プライバシー問題については、いろんな切り口があるのだと思うのだけれども、個人的にここでおさえておきたいと思うのは、明治大学の夏井高人教授が提唱しているデジタル情報化されない権利。こういうのを無限定にふりかざすとなれば、池田信夫氏にLudditeと非難されることうけあいだが、ものは程度ということもある。高木さんが指摘するように、Googleのスト(略)カーの撮影視点はかなり高く、多くの生活空間における家屋のアーキテクチャーが想定する視点とは異なるので、個人が私的空間