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池田信夫という問題

2003/09/10

Permalink 01:25:00, by Nobuo Sakiyama Email , 16 words   Japanese (JP)
Categories: 人々, プライバシー

池田信夫という問題

2006年7月29日追記: 以下の内容は3年ほど前の情報です。その後池田氏の状況にもいろいろ変化があり、また扱うテーマにも変化があります。また、具体的な内容でもあきらかに質は向上しています。例えば、今年はじめに刊行された新潮新書「電波利権」は、ネット関係の内容や純粋に技術的な話題については相変わらず隙が多い本であるものの、主要な内容についていえば、そうした欠点が問題にならないほど素晴らしい内容になっています。以上、最近、beyond さんのブログやサイト経由でアクセスする方が多い状況があるため、公平な評価のためにお断りしておきます。


最近、池田信夫の「若手」への接触がさかんなようで、高木さんもRIETI BBLセミナーにコメンテータとして招かれ、その後高木さんによれば

1時間ほどさしでお話をしてきた。内容は内緒だ。

ということである。やはり、池田がどれほど酷い奴かということを、
泥をかぶってでもきちんと周知しないといけないのだろうか。

池田信夫の酷さがもっともはっきりあらわれ、公開文献として参照できるものとしては、彼の最新著「ネットワーク社会の神話と現実」だろうか。
彼は、この本のなかで、あまりに多くの(単なる)事実を歪めて伝え、
多くの人々の主張をねじまげている。
それらをしりうる限り全て列挙するというのもひとつの方法かもしれない(リクエストがあれば試みよう)が、
このblogを読む少ない人々の関心はそこにはないだろうから、別のことを書いてみよう。

...

最近、池田はみずから運営するメーリングリスト(RIETIの公式プロジェクトのメーリングリストだが、池田批判をすると即座に追放される、お花畑メーリングリスト)に、今年度の新聞協会賞についての投稿を行っている。

日本新聞協会は3日、今年度の新聞協会賞受賞者を発表した。
優れた報道に贈られる編集部門で、
毎日新聞東京本社社会部取材班(代表=大治朋子記者)の
「自衛官募集のための住民基本台帳情報収集に関するスクープ」など3件が選ばれた。

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20030904k0000m040170001c.html

2年続けて、同じネタで同じ記者がもらうという異様な授賞。日本の新聞には、
他にスクープはなかったのでしょうか。「自衛隊」「防衛庁」がからむと、こん
な小さな問題でも大騒ぎする背景には、社会部の「文学オヤジ」に根強い「反戦
平和主義」と、自衛隊に対する差別意識があります。

彼のこの怒りは、上記の点にあるのではなく、彼の「国家は個人情報を自由に奪い、利用できるべきである」という信条にのっとれば全く正しい防衛庁のセンシティブ情報を含む個人情報収奪行為について、毎日新聞が暴いたことにある。そのロジックは、よりはっきりとした形で、
毎日新聞社「情報デモクラシー」取材班による『個人情報は誰のものか』への彼の書評にあらわれている。

毎日新聞のスクープした「防衛庁情報公開リスト事件」は、防衛庁の事務次官の処分に発展し、新聞協会賞を受賞したが、問題になったリストの情報のほとんどは、防衛庁側が検索エンジンなどを使って独自に調べた情報である。違法行為といっても、しいて探せば「みだりに他人に個人情報を知らせてはならない」(行政個人情報保護法第12条)という努力規定に触れるだけだ。末端の職員がこんな罰則もない規定にふれただけで事務次官が処分を受けるというのは、前代未聞である。...

「防衛庁情報公開リスト事件」は、情報公開という、「誰が問い合わせているかに関係なく公開できる情報か、例外として公開できない情報かを審査して
情報を公開していく」、というシステムにおいて情報公開請求者のプロファイリングが行われていた、という重大な問題だ。
違法性についてば、記事化し、政府を追及するに必要な要素ではあったが、
問題はそれを越えたところにあった。にもかかわらず、彼は
毎日新聞のスクープが、さも針小棒大の類であったかのように述べる。
そう、池田信夫は「プライバシーの保護の強化によってではなく、情報公開によってバランスをとるべきである」という立場をとっているが、その情報公開にあたっては請求者のプロファイリングをやっていい、というインチキの立場にたって、問題を矮小化したがっていたのだった。

彼のこのようなスタンスは、他にも随所でみられる。たとえば、「ビッグブラザー」の問題は「リトルブラザー」の問題に置き換わった、とする言動である。
実際には、ビッグブラザーの問題は依然として存在し、そこに「リトルブラザー」隣人的な監視の問題が加わって複雑化している。隣人的な監視に相乗りする形で「ビッグブラザー」的な監視が強化されていくさまは、最近の民間での監視カメラ
設置拡大のなかによくみられる構図だ。にもかかわらず、池田は「問題がかわった」ことを強調し、そして、それを「リトルブラザー問題への警戒」のために述べるのではなく、「ビッグブラザー警戒」の声を攻撃するために使い続けている。
それも当然だろう。彼は個人情報保護法の成立に反対を表明したが、
それと同時に、政府は個人情報の取扱について民間以上の「自由」をもつべきだ、と随所(公開の場かどうかは忘れた)で述べている。