信頼ゲームにおける勝ち残り戦略として、利害をある程度共有していそうだと判断する人物へのささいなことでの批判は差し控える、という曖昧な態度はやはり誤りであったという態度表明、という意味での決別を行ったからには今後は徹底した態度をとりたい。
さて、やはりろくでもない。
Winnyについての
技術的には画期的な要素はない。
という高木氏の評価は、一面において誤りではないが、それはTanenbaum教授がLinuxについて低く評価するが如し、であろう。いわゆる「高い評価」は要素技術に対するものではない。
また、「真実」なるものは、Winnyというソフトウェア(の理想状態、とでも言うべきだろうか。実装が脆弱である場合を忘れることにする)は著作権侵害だろうが児童ポルノだろうがプライバシー侵害だろうがテロ組織の声明だろうが警察の不正経理データだろうが条約違反の核開発の証拠データだろうが強権国家の存立を揺るがす極秘文書であろうが、区別することなく、出処不詳の形で「放流」することを可能にし、そして一旦「放流」されたものは取り消せない状態で漂い続け得るということに過ぎない。「邪悪」云々は利用形態への評価を含むものであって、ソフトウェア自体についての「真実」とは峻別されなければならない。
そういえば、ETCにおける決済はクレジットカードのシステムが利用されている。高速道路におけるクレジット決済については
つまり、誰が何月何日にどこからどこへ移動したかが、カード会社に伝達されているのだ。
(中略)
日本道路公団だけが違う。どうしてこうなっているのだろうか。たぶん、何も考えていないが「マジメ」な人が仕事をしているんだろうと思う。
という秀逸な指摘が存在するわけだが、同目的の同様のシステムに関して、「ナンバープレートはプライバシーではない」から問題ないという形で「ETCになんとなく疑問をもつ人」の関心が遮断されるような話になるのはいったいいかなることなのだろう?
また、Suicaについても、買物利用はJR東日本とは別の企業との決済にSuicaが用いられている以上、
JR東日本という比較的信用度の高い企業体だけがトラッキング情報を握っている
かどうかは公開情報だけでは判断できない。現状の加盟店はJR東日本が筆頭株主である(全部を調べたわけではないが、連結子会社ばかりであると思う)という状況ではあるが、少なくとも法人として別のものであるし、JR東日本のプレスリリースを読んでも、加盟店は将来JR東日本グループ外へ拡大されるものであろうことは容易に読みとれる。もちろん、JR東日本がトラッキング情報を外に出しているなどど言うつもりは毛頭ない。しかし、公開情報だけで、故意でも過失でもトラッキング情報が外部に出ていないと断言できない状況において、例示した上で問題ないと評価することは全く別の問題である。
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