先月、
ただ、私の意図は「個人情報を除く」ことにあるのではなく、「重要情報」というネーミングで別の要素が入ってくることについて、どうなんだろうか、ということでもある。この点、後日別のエントリで書きます。
と書いて放置していたのだが、武田氏がまさにちょうどいいエントリを書いていたので、これに反論する形で書いてみようか。
武田氏は朝日新聞の報道について次のように述べている。
このような報道は必要以上に情報の拡散を広め、国民に対する有事のリスクを高めることにつながらないだろうか。より詳細な情報が一般にも報じられていることで何らかの対応施策が必要となった場合、そのための費用は結局国民が担うことになる。このような報道で流出当事者である政府官庁だけが困ると思われがちだが、実際にはそのしわ寄せは一般国民にも及ぶ。
国家が秘密としてきたものは、漏洩・拡散が広がるとその対処で税金が使われるぞ、という形で国家の秘密保持には民間も協力するのが筋で、いわんや漏洩したものを晒し上げるのなどけしからん、という御趣旨のようだ。なるほど、一見納得させられてしまいそうだ。この報道だけでは。
しかし、これは朝日新聞も説明不足だと思うのだが、この記事は単独で出てきたものでは決してないと思われる経過がある。というのは、この記事は、Winnyで流布している「有事演習計画」の中身が偽ファイルじゃなくて本物だったということを防衛庁側から裏をとれた、という面をもつからだ。そして、Winnyで自衛隊の「有事演習計画」が流布しているということについての報道は初めてではなく、すでにその詳細な内容は「スクープ」として報道されていたりする。
月刊現代6月号の『自衛隊 (秘) 作戦計画 「憲法違反」の核心』(斎藤貴男、取材協力 瀬下美和)がその記事だ。この記事によると、問題の有事演習計画では、そのフェーズ1において「周辺事態」だということで公海上で自衛隊が米軍と共同で「船舶検査」(=臨検)を行うということだ。さらにフェーズ2においては陸から100海里(=領海のはるか沖)を作戦領域としての兵力の配備や「不法行動等の兆候を察知した場合」の、速やかな兵力の集中による対処といったことが基本方針とされているという。さらに、前田哲男氏の解説として、自衛隊が戦端が開かれる前に行動を起こしている、といった話も出ている。そういったことをまとめると、記事表題の「憲法違反」という評価になるのだろう。
さて、こういう情報が加わると、武田氏の文章だけを読んだ場合とは、何か違った光景が見えないだろうか。私は、武田氏がこういった事情を知った上でそれを隠して朝日新聞を非難した、とは思わないが、しかし、国家が秘密にしていること、というもののなかには、往々にしてこういった、国民全てが必ずしも国家と利害を同じくするとはいえない情報があり、報道というのは、そういうものをえぐっていくことに存在価値があると見なされている、ということぐらいはおさえてほしいと思う。
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