アーカイブ: 4月 2007

2007/04/19

Permalink 03:26:12, 著者: Nobuo Sakiyama Email , 2498 回閲覧   Japanese (JP)
カテゴリ: 検閲, 言論・表現の自由

インターネット協会に問い合わせることにした

インターネット協会はインターネットを悪用した人権侵害は止めましょう」「誤りをこっそり直すインターネット協会」の続き。

この経緯を、次のように問い合わせてみることにしました。

このたび発表されたSafetyOnline3について質問があります。 具体的には、4月3日の発表の時点では、「性行為」区分の具体的内容の一項目として「性交または性行為、SM・同性愛・獣姦・フェチ等の変態性欲に基づく性行為、乱交等の背徳的な性行為」となっていたこと、そしてそれが現在では発表文そのものが書き換えられる形で「異性間あるいは同性間の性交または性行為、変態性欲に基づく性行為、乱交等の背徳的な性行為」となっている点についてです。

  1. 当方では上記のような変更が行われたと認識していますが、財団法人インターネット協会においてもその認識を同じくしていますでしょうか?それとも、4月3日の時点で現在の表記であったと認識していますでしょうか?
  2. 当方の認識する4月3日の時点の内容は、同性愛一般が「変態性欲」であることが前提となる表現であったと考えられます。これは、その時点での財団法人インターネット協会ならびにレイティング/フィルタリング連絡協議会の見解であったと受け取ってよろしいでしょうか?
  3. 当方の認識では、その後、表記が変更されています。これはどのような理由によるものでしょうか?また、2年以上かけて検討されてきた格付け基準の発表直後の表記変更にあたっては、どのような内部での意思決定が行われましたか?具体的には、本変更は事務局のみの判断によるものでしょうか?それともレイティング/フィルタリング連絡協議会やその研究会の意思決定を踏まえたものでしょうか?
  4. 当方の認識では、表記変更後、改めて修正版のプレスリリースが行われたとはWebサイト上からは読み取れませんでした。4月3日のプレスリリースは適宜配信されたものと推察しておりますが、プレスリリースの表記変更についてはプレスリリース配信先に通知されましたでしょうか?もし通知されている場合、それがWebサイト上で行われていないのはなぜでしょうっか?もし通知されていない場合、なぜWebサイト上のプレスリリースのみがいつのまにか変更されているという状態になっているのでしょうか?
  5. もし、当方の認識と異なり、4月3日の発表の時点で「異性間あるいは同性間の性交または性行為、変態性欲に基づく性行為、乱交等の背徳的な性行為」という表記であったと協会で主張される場合、レイティング/フィルタリング連絡協議会 研究会で検討が行われないで発表時点で表記変更が行われたことになりますが、その理由はいかなるものでしょうか?
  6. 財団法人インターネット協会としては、インターネット上の性的指向による差別についてどのような見解をお持ちでしょうか?

以上について、頂いた回答については当方での公開をあらかじめ許可頂くことを前提にお尋ねします。なお、適切な期間内に回答を頂けない場合は、回答頂けなかったことを公表する予定です。

2007/04/18

Permalink 01:41:26, 著者: Nobuo Sakiyama Email , 4198 回閲覧   Japanese (JP)
カテゴリ: 検閲, 言論・表現の自由

誤りをこっそり直すインターネット協会

この前のエントリ「インターネット協会はインターネットを悪用した人権侵害は止めましょう」で指摘した、インターネット協会がフィルタリング基準の策定にあたって同性愛嫌悪を推進する表現を用いていた問題ですが、4月17日の時点で修正が行われたようです。現在は次のように表記されています。

区分具体的内容年齢区分
性行為 異性間あるいは同性間の性交または性行為、変態性欲に基づく性行為、乱交等の背徳的な性行為 18歳未満
利用制限
性交または性行為を連想させる行為、不倫行為
官能小説
インターネット上の有害コンテンツの多様化に対応した新たな格付け基準SafetyOnline3の策定 2.(1)フィルタリング項目 から一部抜粋

各地の青少年条例と同様の表現に改めた、ということでしょうか。しかし、この修正、プレスリリースを直接書き換えています。改めて発表し直した、ということではありませんし、修正告知はインターネット協会のWebサイトを眺めても出ていません。これでは、プレスリリース配布先では修正されないのではないでしょうか。そして、何よりも、誤り(修正したのだから誤りだとは認識している)を犯したことを発表しない、こういう隠蔽体質は、いったいなんなんでしょうね。これのどこが「インターネットの健全かつ一層の発展を推進」する姿勢なのでしょうか。まぁ、インターネット協会以前の10年前からの体質ですから、そうそう変わるとも思いませんが。まぁ、個人的には、インターネット協会が邪悪なのではなくて、国分明男氏の問題だと思いたいですが。

2007/04/12

Permalink 01:36:28, 著者: Nobuo Sakiyama Email , 3758 回閲覧   Japanese (JP)
カテゴリ: 検閲, 言論・表現の自由

インターネット協会はインターネットを悪用した人権侵害は止めましょう

冗談のようなタイトルだけど、これは本当に思っていることです。

インターネット協会は、さきごろ「インターネット上の有害コンテンツの多様化に対応した新たな格付け基準SafetyOnline3の策定」というプレスリリースを出しています。その中で、どのような項目をフィルタリングするかを表形式で発表していますが、次のような部分があります。

区分具体的内容年齢区分
性行為 性交または性行為、SM・同性愛・獣姦・フェチ等の変態性欲に基づく性行為、乱交等の背徳的な性行為 18歳未満
利用制限
性交または性行為を連想させる行為、不倫行為
官能小説
インターネット上の有害コンテンツの多様化に対応した新たな格付け基準SafetyOnline3の策定 2.(1)フィルタリング項目 から一部抜粋

個人的には、18歳未満が性行為の描写を見たところで有害だとは思いませんが、とりあえずここの話は「フィルタリングの妥当性」をめぐる議論ではありません。表をよく読んで下さい。「SM・同性愛・獣姦・フェチ等の変態性欲」と書いてあります。「変態性欲」という言葉を使うのがpolitically correctかどうか、ということは置いておくとして、この項目は、「同性愛」という性的指向について、明確に「変態性欲」というカテゴリに入れて表現しています。これは、同性愛を異性愛と対等に扱うべきか、といった水準の議論ではなく、明確に同性愛を異常視、差別視した表現です。このような表現を日本でインターネット業界を代表する業界団体である財団法人のプレスリリースに堂々と掲げられてしまう、というのがはたして社会的に許容されてよいのだろうか、という問題です。

これは、「ちょっとしたミス」などではありません。この基準はインターネット協会が設置するレイティング/フィルタリング連絡協議会において、少なくとも2年以上検討されてきた内容の成果です。ここの研究会資料や議事録を読めば分かりますが、このフィルタリング基準は、全体としては個々の言葉遣いについて細かいチェックを行ってここまできています。例えば、「性暴力・性犯罪」の区分における「近親姦」という表現は、最終段階直前まで「近親相姦」であったものが指摘があって修正されています(それ自体は正しい修正でしょう)。そういう場において、同性愛を「変態性欲」とする記述は、2006年1月24日付の中間案の18ページに登場して以来,全く揺らいでいません。その回の議事録において、

○委員:ラベリング基準案の中の、「SM、同性愛、獣姦、フェチ等の変態性欲の性行為」はICRA ではどのように分類されているのか。

○事務局:ICRA ではおそらく、アブノーマルなものとノーマルのものとは分けずに一律に「明白な性行為」にいれるということで対応しているかと思う。

○委員:「セックス」という項目の中に含まれると思われるということか、実際に含まれているということか?

○事務局:「明白な性行為」のところか「明白ではないが性行為と思われる行為、または性行為を連想させる行為」のどちらかに該当するだろう。

2005 年度「レイティング/フィルタリング連絡協議会」第2 回研究会議事録

といった程度の議論があったのみです。ICRAが分けていないものを何故分けるのか、とか、分類の仕方は妥当なのか、といった議論があった形跡はありません。

これは、少なくとも同性愛者の方々や権利団体は抗議を申し入れるべき事態だと思うし、人権擁護活動をされてきた方々も動くべきではないかと思います。あと、インターネット協会内部で、こういったコンテンツ規制推進に関わっている部門は、他の部門とはかなり異質で、問題があると考えている方が少なからずいらっしゃると漏れ聞こえているのですが、やはり、組織ガバナンスの問題としてこういうおかしなことをしている部門をきちんとチェックしたほうがいいのではないかと思います。

2007/04/06

Permalink 08:40:44, 著者: Nobuo Sakiyama Email , 11160 回閲覧   Japanese (JP)
カテゴリ: 検閲, 言論・表現の自由

Wikipedia日本語版管理者は百科全書とか知らないんだろうか?

NTTドコモのフィルタリング話では差別された当事者が動き出した。そういう人達にさらにインプットすべき情報もあるかなと思うのだけど、基本的に以前からのネタの繰り返しなので個人的にもうちょっと落ち着いてから。

さて、Wikipediaの日本語版管理者のひとりがWikipediaと表現の自由は関係ないとまで力説しているんだが、Wikipedia以前に百科事典の歴史というのを知らないでやっているんだろうか?近代史のなかでの百科事典というのは啓蒙思想と密接に結び付いているわけで、実際、それは教会の権威と対立し、弾圧され、それを乗り越えて編纂されてきた、という意味で、まさに近代における言論の自由の確立とは切り離せないものなんだけどなぁ。

Wikipedia日本語版の「百科全書」の項は、現時点でそのあたりの書き方が、英語版と比較してもあまりに弱すぎるので、大阪府立図書館の図版集の解説ぐらいは読んだほうがいいだろう。

751年に第1巻が出版されましたが、絶対主義的権威の否定や人間精神の解放を基本にした「百科全書」は、教会を中心とした反対派からの攻撃でいったん出版を取り消されます。その後もさまざまな迫害を受けますが、ディドロは困難を乗り切り、1772年に最後の図版集を完成させました。

フランス百科全書について

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