中央教育審議会が中学校での武道を必修教科にする方針を決めた、ということで内田樹氏が批判をしている。で、それとも微妙に関係ある気がするのだけど、もっと直截なレベルで、まずいよなーという感じで簡単に。
以前の男子必修が選択になった経緯をもはや覚えていないのだけど、とりあえず、1990年代に神戸高専事件と呼ばれる事件があった。神戸高専は神戸市立の公立の学校で、そこでエホバの証人の信者の生徒が必修科目の剣道の実技を許否し続けて、留年になったり退学処分になったりした、という問題。信教の自由の侵害だということで生徒側が学校を訴えて、最終的に損害賠償請求訴訟で生徒側が勝訴して確定している(詳細はリンクをはったWikipediaの記述を参照のこと)。覚えてないが、事件が1990〜91年に発生していることと、男子必修でなくなったのが1992年なので、これはリンクした事象であったような気もする。
いずれにせよ、これは最高裁判例として生きている状態のものなわけで、趣旨も含めてこれと真正面からぶつかるんじゃないかと。一部の報道では「原則」と書かれている、ということは例外として代替措置を用意して済ませるのかもしれないし、あるいは、時間数としては大きくない方向にしておくのかもしれない。しかし、新教育基本法とそれに乗っかった「伝統尊重」路線というのは、むしろ信教の自由を軽く見る路線でもあるわけで、報道に見える委員の意見も、「伝統を尊重しない」なら「教育」したい、そんな思いが伝わってきてしまうのでどうなることやら。ちなみに、神戸高専事件の背景にも、時代は違えど似た状況があったようだ。おそらくは学校式典での国旗・国歌に関する裁判の判決なども、こういう雰囲気を後押ししたのだろうけど、しかし、「武道必修化」はそれが信教の自由とぶつかってしまう人達にとっては、式典よりも遥かに制約が大きいし、最高裁判例が覆ったわけでもないんだよね。代替措置を用意しない場合、「武道許否」は当然ながら生徒の成績に影響を与えるだろうし、それは高校受験する場合の内申点にも影響を与えるだろうが、そういう不利益は受忍すべき、ということになるのか、ならないのか、そのあたりが問題になるのだろうな。
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