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鳩山法相がまともなことを言っている件

2008/05/23

Permalink 03:04:56, by Nobuo Sakiyama Email , 3 words   Japanese (JP)
Categories: 政治, 検閲, 言論・表現の自由

鳩山法相がまともなことを言っている件

検索していて参議院法務委員会の5月8日の議事録にいきあたって、以前ちょっとふれた松浦大悟議員がフィルタリングとLGBT差別の問題について質問していて、最終的に鳩山法相が答弁しているのだけど、結構まともな答弁になっていたので以下に紹介。まずは松浦議員の質問からだけど、文字になってると結構長いので途中を端折った。全文は議事録をみてほしい。基本的に、私が以前問題にしたの(のらさんのところに転載されたmixiのコミュでの話のほうが分かりやすいかな)と問題意識は同じ。

○松浦大悟君 何が言いたいかといいますと、実は現在、携帯電話会社各社は、子供に対して違法、有害なサイトから子供を守るためとしてフィルタリングサービスの提供を行っています。……

 このように、現在、急速に未成年者の携帯電話へのフィルタリングの適用が進んでいるのですが、実はここで一つ指摘しておきたいことは、現在のフィルタリングの一部が性同一性障害者や同性愛者といったセクシュアルマイノリティーの人権を侵害しているということなんです。

 どういうことかといいますと、携帯電話会社四社のうち大手を含め二社では、フィルタリングで排除するカテゴリーにライフスタイルというのを設けているんです。このライフスタイルというのがどういうものかといいますと、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダー、いわゆる性同一性障害などの生活スタイルに関する各種情報の提供ということになっているんですね。

……

 民間企業であるとはいえ、今や携帯電話会社はかなり公共性の強い事業であり、社会的影響の大きさからいってかなり問題のあるやり方ではないかというふうに思うのですが、法務省としてこうした企業に対し指導すべきだと思いますが、その辺りのお考えをお聞かせください。

これに対して、政府参考人の法務省人権擁護局長は、「具体的な事案を見てみないと」分からない、と逃げる答弁を続けていたのだけれども、これに対して鳩山法相は次のように答弁した(これもやや長いので若干端折った)。

○国務大臣(鳩山邦夫君) ……

 そうしますと、同性愛の方や性同一云々の方の人権というのも、それは立派に守っていかなければならない。松浦さんが先ほどからおっしゃっていることの論旨は、私は決して間違っていないと思います。ただ問題は、そのフィルタリングして有害情報を排除したいというのは国民全体の願いだろうと思います。むしろ、だから性同一障害とか同性愛というのはおかしいんだ、おかしいんだというめちゃくちゃな書き込みがあれば、そういうページこそ本当は除外をしたいということですから、あくまでも中身の問題ということになるわけでしょうが。

 今後フィルタリングの問題が本格化してくる。現在総務省で、今年の秋までにはインターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会が結論を出そうとしている。その結論を受けて携帯電話やインターネットの会社に対してどういうフィルタリングを求めていくかということになっていくんだろうと、こう思います。ただ、そういう中で、性同一の問題あるいは同性愛の方々の問題を、これは明示的にフィルタリングするようなことがあれば、これはあってはいけないことでございますから、人権擁護の観点で我々は物を言わなければならないだろうと。それは、人権局長はなかなか苦しい答弁をしておりますけど、私はその辺はある程度は割り切ってもいいのではないかと、こう思っております。

 ただ、内容が問題ですからね、本当は。内容は一つずつ本当は大問題なんだけど、一つずつフィルタリングするということはこれは絶対不可能ですから。そう考えた場合に、一つの概念として性同一の方の情報をフィルターに掛ける、あるいは同性愛の方々のことをフィルターに掛けるということは基本的にはあってはならないことと思っています。

明確に、「有害サイト規制」としてのフィルタリングにおいて、LGBTを対象としたフィルタリングを「あってはならないこと」と答弁している。国会質問の内容は基本的に事前通告されていることを考えると、どこまでを官僚が答弁をし、どこからが政治家として大臣が答弁するかは事前に考えられていたとも思われ、明確な答弁が鳩山法相から出た、というのは政府の明確な態度だと言えるはずで、これは実にいい仕事だなぁ、と率直に思った(踏み込んだ内容だから大臣から述べるべき、ということだったのだろうと思う)。