« 改正出会い系サイト規制法のもとでは中立的なCGMプラットフォームは否定されるのだろうかGoogle ストリートビューのプライバシー問題について改めて »

Googleストリートビューと部落差別

2008/08/24

Permalink 03:20:17, by Nobuo Sakiyama Email , 6 words   Japanese (JP)
Categories: セキュリティ, プライバシー, 社会

Googleストリートビューと部落差別

Googleストリートビュー問題についてはてブで追いかけていて気づいたのだが、北口学さんというジャーナリストの方が「ストリートビューというサービス開始の日ー爆発的に増殖する深刻な問題を見つめて」というネット連載を書いていた(上記連載の本サイトはジャーナリスト・ネットというところで、北口氏は日本人権ジャーナリストの会事務局長でもあるということ。日本人権ジャーナリストの会はごく最近設立された団体だが、設立が朝日新聞で報道されている)。北口氏について私はこれまで知らなかったのだが、名前でググるとキャリアが長い方のようだ。

その北口氏の上記連載を通読したところ、すでに部落差別に関連して結構いろいろ起きているようだ。2ちゃんねるのスレッドで部落差別と結びつける形で特定の場所の位置を公開し、ストリートビュー写真が削除されれば、事前に保存しておいたその写真を画像アップローダーで公開して示す、といったことになっている。ただ、これはGoogleがオプトアウトであることも問題だが、悪意は別のところから来ているのですべてをGoogleのせいだというわけにもいかないかもしれない。

一方、気になりつづけている空白地帯問題だが、最初は1ヶ所だけしか認識していなかった大規模被差別部落との相関について、私自身は土地勘がまったくない都市だが空白地帯のいくつかについて調べると、そこもまた被差別部落の地名として著名、といった状況があることがわかった。ただ、空白地帯とそうでない部分の境界と部落との関係がどこまで密接なのか、というのは、さすがに簡単にわかる公開資料程度では分からない。問題の性質上、そんなものがネット上に簡単に見つかるわけがない(差別を意図した掲示板への地名列挙の書き込みといったものは見つかるが信頼できる資料になりえないのは当たり前だ)し、見つかってもまずいし、そもそもそこまでセンシティブなものを私が追いつづけるのが適切かというと多分適切でない。ということで、一般にも著名な部落問題の研究者(誰なのかは少なくとも今のところは伏せる)に、本件についてご意見を伺うべく、問い合わせのメールを出してみた。まったく面識がない方なので、どういうことになるかは分からないが。個人的には、本件(Googleストリートビューと部落差別の関係)については「部落差別問題へ取り組むことを主要な関心としているわけではない私が被差別部落の正確な場所について詳しくなることが適切とは思えない」という事情により、今回連絡をとった研究者の方や、あるいは北口氏のような専門性の高いジャーナリストの方に引き取ってもらって撤退したいと考えている。

最後に、私の見込みが当たっているという仮定でのこの問題についての意見だけれども、Googleストリートビューが仮に存続しつづけるとした場合、公開範囲は大幅に制限する必要があるだろうし、また、サポート範囲の道路の縁取りもやめるべきだと思う。ストリートビューとしての有用性は、場所を起点として道路からの風景を眺められれば十分で、どこが撮影されていてどこが撮影されていないのか、という俯瞰的な視点を厳密に提供することの有用性は薄いのではないか。もっとアバウトに、どのあたりの区域が撮影されているかを面で色分けする程度でいいのではないか(この場合、その中の空白地帯はサポート範囲として色をつけて他の地域と区別できないようにする)。

追記: 上記の著名な研究者から返事を頂いた。それによると、当該都市のストリートビューで部落を識別できる状況にはないとのこと。中途半端に知られている地名で余計な心配をしてしまったのかもしれない。まぁ、私の心配事がFUDで済めばそれはむしろ幸いなので悪いことではない。