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デマを流す「公安関係者」と、それを検証しないマスメディア

2008/11/13

Permalink 00:20:32, by Nobuo Sakiyama Email , 38 words   Japanese (JP)
Categories: 政治, セキュリティ

デマを流す「公安関係者」と、それを検証しないマスメディア

永遠にネットをさまよう公安個人記録 「亡霊のよう」という記事が ITmediaに載っていて、これは ZAKZAK から買ってきて配信している記事だというのはクレジットにあるとおりで、そこらじゅうのニュースサイトに載っているんだが、デタラメ。ほぼデマに近い。一般論として、ネットに流出した情報が消せない、という話はあるだろうが、これはそんな話ではない。事実を示すということと、2000年にサイトや個人の実名を明記する報道がされている(Wiredのような濃いところだけじゃなくて、Washington Postとか)ので、ここでは実名を出す。この ZAKZAK 記事が固有名詞を欠いているのは情報操作の可能性すらある。

「当時すでに退職していた内部関係者」は、現在はジャーナリストの野田敬生氏(なぜか知らないが彼のサイトとブログのESPIOはつい最近消滅している。メルマガのアーカイブだけは残ってるが)。「海外ホームページ」は、英語版Wikipediaにも載っている、John Young が開設したCryptomeだ。ここは、問題の公安調査庁職員リストを2000年に掲載した時のアクセス過多によるダウンがあったとか、2007年にNTT資本であるISPのVerioからAUPを理由に契約解除されたことでISPを移転したとか、そういうのを除けば、「消滅しており、データは抹消された」ことはない。

そして、問題のリストは、最新情報サイトであるcryptome.orgからアーカイブサイトとして後に設けられたcryptome.infoに移されたものの、いまだ堂々と公開されている(名簿スキャン画像による日本語版英語に翻訳されたテキスト版)。FBI経由で削除云々の経緯も話もFBI側の担当者の実名込みでメールをさらす形で残されていて、これを読めば Young 氏が「アメリカの裁判所命令があれば削除するよ」とはっきり述べている。まずは、公安調査庁の上部組織である日本の法務省が「自分で」削除依頼出してねと。その上で裁判所命令となれば対処しますという話になっている(直接の表現としては、そうしないから削除しないよ、と述べているわけだけど)。そして、日本の法務省は現在に至るまで、Young 氏に対する正式な対応をとっていないからここにリストが残っているわけだ。「いたちごっこ」なんて、ないじゃないの。

「一般ユーザーでも専用ソフトを使ってキーワードを入力すれば、かなりの確率でダウンロードできる」とか、そういう問題じゃない。普通にWebブラウザで、Google 検索で、"PSIA lists"と入れれば、最初に出てくる。Winny も eMule も BitTorrent も要らないよ!

ただ、ひとつだけこの記事に興味深い点があるとすれば、「公安調側は何度も削除を試みている」とか「「可能な限り処置はした」という話が出てくる点。もしかすると、2007年のVerioの件は、日本資本が入っているということで公安調査庁として take down をムリムリ依頼して、明確な法的根拠を示さなかったので「AUP違反による契約解除」という以上の説明がYoung氏側にないという話なのかもしれない。例えば著作権侵害とかなら、Verioも手順を踏んで通知してきたというのが契約解除ネタの後半部分に実例がついていたりするのでわかるので、それがなかったということはかなりイレギュラーだし、そのわりにはVerio側が移転のための猶予期間をとったというのも、法的問題ではなかったことをうかがわせる。推測に過ぎないけどね。

もし、上記の推測があたっているとするとかなりマヌケな状況なので、法的に無理と判断してデマだけ流すことにしたと、むしろ信じたいなぁ…。