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テレサ協「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」の改訂内容を見てみた

2008/11/17

Permalink 01:17:36, by Nobuo Sakiyama Email , 5 words   Japanese (JP)
Categories: 検閲

テレサ協「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」の改訂内容を見てみた

テレコムサービス協会(正確にはテレサ協を事務局とする「違法情報等対応連絡会」だけれども以下ではテレサ協と表記)がインターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン(案)」等に係る 意見募集についてというのを21日締切で出していて、メインの「インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン」改訂については、あんまり問題を感じなかった。変更箇所がわかりやすくPDFファイル内に赤字で示されていて、わいせつ性の判断基準を少しいじりました(これで利用者が不利になる要素はない)、児童ポルノの定義を法律と揃えました(それはそういうものでしょう)、警察機関からの公序良俗に反する情報の対応依頼書を新たに追加しました(国家権力を背負った警察が違法でないものについて口出せるのはやや問題があるんだけど、それはテレサ協の問題ではなくて、テレサ協はただ書式を用意しただけ)、といった話にすぎないので。

もうひとつの「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」のほうが、どこがどう変更されたか、いまいち分かりにくかったので、ちゃんと読んでみた。現行改訂案

なお、「契約約款モデル条項」は、その名のとおり「モデル」なので、これが変更されたからといって、ダイレクトに利用者の権利が変更されるわけではない。ただ、業界のそういう動きを各ISPは見て動くだろうというのはあって、自前の法務部に実力があるような大手ISPはさらに独自の検討を行うかもしれないし、あるいはここにあるような検討をすでに行って反映しているかもしれないが、中小ISPはそのまま改訂案を反映させた契約約款改訂を行うところが少なくないだろう。

改訂はいずれも「禁止事項」(第一条)に関するもの。

  • 3号
    • 現行: 他者を不当に差別もしくは誹謗中傷し、他者への不当な差別を助長し、またはその名誉もしくは信用を毀損する行為
    • 改訂: 他者を不当に差別もしくは誹謗中傷・侮辱し、他者への不当な差別を助長し、またはその名誉もしくは信用を毀損する行為
    「侮辱」が加わりました。
  • 13号
    • 現行: 違法行為(けん銃等の譲渡、爆発物の不正な製造、児童ポルノの提供、公文書偽造、殺人、脅迫等)を直接的かつ明示的に請負し、仲介しまたは誘引する行為
    • 改訂: 違法行為(けん銃等の譲渡、爆発物の不正な製造、児童ポルノの提供、公文書偽造、殺人、脅迫等)を請負し、仲介しまたは誘引(他人に依頼することを含む)する行為
    「直接的かつ明示的に」が消え、誘引に「他人に依頼すること」が含まれることが明示されました
  • 14号
    • 現行: 人の殺害現場の画像等の残虐な情報を不特定多数の者に対して送信する行為
    • 改訂: 人の殺害現場の画像等の残虐な情報、動物を虐待する画像等の情報、その他社会通念上他者に著しく嫌悪感を抱かせる情報を掲載し、または不特定多数の者に対して送信する行為
    「動物を虐待する画像等の情報」「その他社会通念上他者に著しく嫌悪感を抱かせる情報」が加わり、不特定多数への送信以外に「掲載」が入りました。求める者のみ対象のアクセス制限をかけても「掲載」なんでしょうかね?
  • 15号
    • 現行: 人を自殺に誘引または勧誘する行為
    • 改訂: 人を自殺に誘引または勧誘する行為、または第三者に危害の及ぶおそれのある自殺の手段等を紹介するなどの行為
    硫化水素自殺がらみですね。もっとも悪名高そうなところは日本のISPではないのですが、ほぼ変更のない16号で「リンクをはること」を問題にしているので、そこで効いてきそうですね。
  • 17号
    • 現行: (なし。現行17号は改訂案18号へ移動)。
    • 改訂: 犯罪や違法行為に結びつく、またはそのおそれの高い情報や、他者を不当に誹謗中傷・侮辱したり、プライバシーを侵害したりする情報を、不特定の者をして掲載等させることを助長する行為
    ネット上の祭りとか炎上とか方面に意外と影響あるかもしれませんね。

もともと、この種の契約約款では最後に「その他」というキャッチオール条項があるので「対象をより明確にする観点」で改訂という説明は間違いではないのだけれども、結構もりだくさんな改訂ですね。さぁ、どう考えたものかな。