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薬事法施行規則の改正についての手続き的な疑義

2009/03/08

Permalink 13:06:27, by Nobuo Sakiyama Email , 0 words   Japanese (JP)
Categories: 政治

薬事法施行規則の改正についての手続き的な疑義

そもそも、今回の薬事法施行規則の改正、個人的には手続き的な疑義が生じてきた。

「悪しき業者行政」の改革として行政手続法によるパブリックコメント制度などが整備されてきたわけなのだけれども、そうした改革のひとつに政策評価制度がある。政策評価制度自体は事後評価が中心かつ先行して行われてきたのだけれども、第二段階として試行ののち「規制の事前評価」が導入され、規制の導入や改廃については規制影響分析を実施することが2007年から義務づけられている。

そこで、厚生省の平成20年度規制影響分析書一覧をみてみたのだが、医薬品の通販禁止、という項目や、それが含まれそうな項目はない。試行時期を含めて遡っても、掲載されていない。通販の禁止で医薬品ネット通販業者のみならず、多くの伝統薬の製薬会社が存亡の危機というのは、あきらかに国民の権利に大きな影響を与える事態で、規制影響分析が行われないというのは不適切な事態のように思われた。

ただ、規制の事前評価を義務付けた行政機関が行う政策の評価に関する法律施行令の第3条第6号には

六  法律又は法律の委任に基づく政令の制定又は改廃により、規制(国民の権利を制限し、又はこれに義務を課する作用(租税、裁判手続、補助金の交付の申請手続その他の総務省令で定めるものに係る作用を除く。)をいう。以下この号において同じ。)を新設し、若しくは廃止し、又は規制の内容の変更(提出すべき書類の種類、記載事項又は様式の軽微な変更その他の国民生活又は社会経済に相当程度の影響を及ぼすことが見込まれないものとして総務省令で定める変更を除く。)をすることを目的とする政策

行政機関が行う政策の評価に関する法律施行令

とあり、一方で薬事法施行規則改正は「厚生労働省令」という省令で行われていて、義務づけの範囲に入っている、とは必ずしもいえない(私は行政法の勉強をしたわけではないので、厳密なところは分からない)。政令ではない施行規則改正で規制を導入しつつ事前評価をしていないというのは、最近では「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行規則」の改正での年齢認証強化など他にもあるので、事前評価がないからとただちに違法だとはいえない。「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行規則」改正については、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」の改正の前に規制影響評価が行われていて、その範囲の話だ、と読むこともできるが、一方で薬事法改正は2006年で事前影響評価の義務付けの前の話であったりする。

しかしながら、少なくとも今回の薬事法施行規則の改正は薬事法本体の改正から自明に導かれる程度を越えた規制を導入しているわけだし、行政機関政策評価法施行令と同時に閣議決定により改正された政策評価に関する基本方針によれば、「規制の事前評価については、その実施が義務付けられている規制以外のものについても、積極的かつ自主的に事前評価を行うよう努めるものとする。」とのことだから、今回、規制影響分析が行われていないのは不適切であるように思う。

こういったことを踏まえると、手続き面と実質面と両面で問題があるのだから、厚生労働省が頑なであり、再検討の委員会に希望が持てなさそうであれば、総務省行政評価局に政策評価制度についての要望をあげたり行政相談を使ってみたりすることも並行してやっていったほうがいいんじゃないかと思った。