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2008/06/15

Permalink 23:20:21, by Nobuo Sakiyama Email , 5 words   Japanese (JP)
Categories: 検閲, 監視社会, 言論・表現の自由

青少年ネット規制法案成立と今後

ちょっと間があいてしまったが、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案(以下青少年ネット規制法案)が成立したので、時期をあんまり過ぎないうちに一言書いておこうかと。

まず、今回の法案成立について、型通りのコメントを述べるとすれば、MIAUの声明の通りになる。で、それはそれとして、個人的にもっとぶっちゃけた話。今回、関係者各位の努力によって今回ぐらいの水準で収まった。もちろん、こんな法律案が成立した、ということ自体に対して、不満はたくさんあるが、しかし、今回、「法案を何も成立させないこと」を勝ち負けの基準に置くとすると、そもそも4月のどこかの時点で、その負けは見えていた。与野党の議員が超党派でなんらかの形で成立させたいと思っている法案を押し止めるというのは、ものすごいパワーの要ることで、それは、私だとかMIAUだとか、あるいはネット業界だとか、だけがジタバタしてどうなるものでもない。

あとでもう一度言及するけれども、共謀罪法案なんてのが、ずーっと成立しないままになっているのは、伝統的な野党支持基盤組織が結束して反対し続けていることもあれば、与党内でも懸念がそれなりに大きいこと、そして、そもそもが全体として条約批准を目的とした立法で成り立ちから国内的な動機に乏しく、政治家として熱心に進めたい人が必ずしも多くない、ということもあるだろう。一時は簡単に成立しても不思議でない状況を乗り切って、参議院で与党が過半数を割って店晒し状態。与党は衆議院再議決をすることだって数字の上では出来るけれども、そこまで懸けて刑法・刑事訴訟法の改正案を通すという無茶をする状況にはない。

対して、青少年ネット規制法案のほうはといえば、政治家主導で進んだ話であり、与野党双方に懸念の声はあったけれども法案提出そのものを潰せるほどの情勢にはなく、各党支持基盤についても、伝統的に保守系のところがこういう法案にどちらかといえば賛成のところが多そうなのは当然として、左派系も、強い反対のところって目立って存在していた印象は無かった。というか、今回、いかにも左派ですね、という人の中で目立っていたのって(議員は別として)日隅弁護士ぐらいじゃないのかな(そして、日隅弁護士は、いかにも左派ですね、という以上にメディアの自由に主要な関心のある方で、そういうくくりであれば、法案に反対していた人は少なくないとも言える)。そもそも「青少年健全育成」的な枠になると国家統制的な動きに左派が甘くなるのか、それとも、単純に、ネットの問題が重要な位置にない人が多いのか、はよく分からないけれども。個人的には、その昔のこともあって、そもそも期待してなくて、ほとんど声かけなかったんだけど、マスメディアでもそれなりに報道されてたんだから、関心があれば動いたはずでしょうということで。ぐたぐだ書いているけれども、とにかく、懸念する方向での関心は、社会全体という単位で言えば、あまりにも薄かった。対して、立法を求める声は、見える形で出されていた。内閣府の、どうみても高市議員が大臣時代に作らせた誘導たっぷりの世論調査とか、京都市の半官半民の運動とか、ツッコミどころは多い内容であれ、規制派は目に見えるかたちを出してきていた。規制の問題点を綿密に訴えるとか、カウンター的な調査結果の公表とか、いろいろあったのは、法案の中身を弱めて実をとるという戦術に関係者多数が突き進む上では大成功だったとはいえるけれども、法案を葬るという意味においては、後手に回っていた。手遅れ。議員にしても、それなりに時間をかけて派手にブチ上げてきた手前、「実は法律は何も要りません」では通らない人が多かっただろう。メディア関係も、新聞協会や民法連が最後の最後になって反対声明を出したが、あのタイミングは、法案の成立に影響を与えないタイミングといってよく、出ないよりはマシだが、という状況。そもそも、主要紙やキー局の報道においてネット規制の問題よりはるかに多くネット規制を煽る論調が多かったなか、アリバイ的でもよく声明を出せたなというところで、廃止を求める民法連声明に至っては、よくぞ踏み込んだとさえ言っていいように思う。そういう中、高市私案とか自民党内閣部会案とかのヤバさを考えれば、よくここまで粘れたものだ、という感じで、最後には参考人質疑にまで呼ばれた楠さんには本当にお疲れ様というほかない。

さて、今回の法案の国会での提案・採決に至るまでの駆け引きの結果から今後の自主規制とかさらなる法改正とかにつながっていく要素っていくつもあって、それぞれまた大変そうなんだけれども、個人的に一番注目すべき点と思うものをここで紹介しておく。

(青少年有害情報の発信が行われた場合における特定サーバー管理者の努力義務)

第二十一条 特定サーバー管理者は、その管理する特定サーバーを利用して他人により青少年有害情報の発信が行われたことを知ったとき又は自ら青少年有害情報の発信を行おうとするときは、当該青少年有害情報について、インターネットを利用して青少年による閲覧ができないようにするための措置(以下「青少年閲覧防止措置」という。)をとるよう努めなければならない。

青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案

第四条 インターネットを利用して公衆の閲覧に供することが犯罪又は刑罰法令に触れる行為となる情報について、サーバー管理者がその情報の公衆による閲覧を防止する措置を講じた場合における当該サーバー管理者のその情報の発信者に対する損害の賠償の制限の在り方については、この法律の施行後速やかに検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案: 附則

二十一条の「青少年閲覧防止措置」が「有害情報」を広く対象とするものの努力義務に留まり、一方で、違法情報と判断したものの閲覧防止措置の責任制限が今後の検討として附則となり、先送りされた。このあたり、先送りになる前の段階で一度ふれたことがあるのだけれども、これ、まったく別の意味で、ものすごく難しい話なんだよね。違法情報の閲覧防止って結構な話じゃないか、と、単純に考えれば素直に肯定できそうなのだけれども、違法な情報といってもレベルがいろいろあって、どうでもいいものもあれば、警察としては面倒みきれないけれども閲覧防止しておいてほしい、というレベルのものもあれば、確実に捕まえたいので、むしろ下手なことしてくれるな、という状況もありうる。最後のって、要は、「とても悪い犯罪者」が、「閲覧防止措置」をきっかけに証拠隠滅して逃亡する、という問題。とりあえずの解はあって、「閲覧防止措置」の前に、ログとかの保全をさせましょう、という話がある。サイバー犯罪条約にもそういう条項があり、とりあえずISPなどにログやデータなど証拠になるものを保全してもらっておいて、後から記録を差し押さえましょう、というアプローチになる。ログ保全の段階は、とりあえずのもので警察に渡す段階じゃないから、容疑とか固まっていなくてよくて、後での差し押さえの段階できっちりした令状を出します、という話になっている。もっとも、これでログ保全を乱発されまくるとISPの負担が大変だしユーザーのプライバシーや通信の秘密の観点から問題だね、ということで、保全の日数には制限がつく。現行法にはこういう制度がないので、改正法案が出ている。そこでは、ログ保全は強制ではなく任意の要請という形になっていて、保全日数は90日となっている。そして、この法案の本体は犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案というやつで、実は共謀罪法案とセットで1本になっている。ということで、目下、成立の見込みはない。条約批准の承認自体は共謀罪部分にしろサイバー条約関係部分にしろすでに通っているのだけれども、立法措置という面で争いがある、という話になっていて、決着がついていない。政府案に対して与党側が野党に歩み寄るための修正案を出していて、対して民主党も修正案を出している。共謀罪の部分だけではなく、上記の保全の日数が与党修正案で60日、民主党修正案で30日になっている。保全と記録差し押さえの部分について、そのほかにも細かい文言の修正が修正案にはある。

一定水準の適正な法執行を確保した上での違法情報の閲覧制限措置っていうのは、要するに共謀罪と一緒に止まっているその部分が存在しないと本来はうまくまわらないはず。現状のインターネットホットラインセンターでの「警察に通報して暫く待ってストップかからなければISP通報」という運用も、実のところ結構微妙なもので、だからこそ警察からの受託事業になっている、という部分もあるはず。ピースが欠けたまま、むやみやたらと拡大をしたり、責任制限が先行して警察の関与しない自主措置が大きくなりすぎると、表面的には「安全」っぽいが、そもそも犯罪が警察の網にかからなくなっているだけ、という事態もありうる。といって、応急保全や記録差し押さえ部分をさっさと片付ける、という話にはならない。ここは基本的人権の観点からは慎重さが求められる。そして、個々の法律が矛盾をきたさないように、整合性のある制度設計を誰かがやる必要がある。もとより青少年特別委員会で扱うような枠を越えている話だったので、先送り自体は正解として、さて、どうするんでしょうね。

2008/06/09

Permalink 05:52:44, by Nobuo Sakiyama Email , 16 words   Japanese (JP)
Categories: 検閲, 言論・表現の自由

池田さんの言動が基本的な事実から離れている件

池田信夫さんは、ときにとても?いことを?くのだけれども、なぜか日本?が理解できていないのではないかというレベルで困ったことを?いていることがある。

率直にいって、これは自主?制の限界である。ISPでフィルタリングが始まれば、2ちゃんねるがその?象になることは??だが、そうすると「うちは2ちゃんねるが?られます」というのを?り物にするISPが出てくるだろう。もちろん彼らは自主?制?体に入らないから、制裁もできない。

自主?制をどうワ?クさせるか - 池田信夫 blog

基本的な?だが、「??の余地なく、あるサイトを?られなく」するような?制は、表?の自由や通信の秘密、ネットワ?ク中立性などの?点で重大な??を孕む。そういうわけで、今回の青少年ネット?制法案でも、携???のフィルタリングでも、?象は18?未?であり、?の申し出で外せる、という??大臣要?の形からは外れていない。ISPの??についても、国会に提出されたものそれ自体は?ちゃいないが(いまだに??院サイトに?案が出てないでこのまま成立かね?)、その手前と?道の内容、楠さんのITMedia寄稿?事からすれば、ISPは「?客の求めに?じて」フィルタリングソフトの提供とか、フィルタリングつきのプロキシ?サ?バ?の利用サ?ビスなどを提供すればいい(?料・??である必要もない)のであって、すべてのWebの通信をフィルタリングするような自主?制は求めていないし、??にそのようなことが自主?制として行われる、というわけでもないだろう。もちろん、ISPによっては、ぷららのように、URLフィルタリングサ?ビスを??的に??サ?ビスの一部として提供してデフォルトで有?としている?合もあるが、これはあくまでデフォルトに?ぎず契?者の家庭でオフにできる。そして、そもそもこれはぷららの他のISPに?する差?化要素であって、こういう世の中にみんななるという前提ではない。大手ISPではオプションでプロキシ?によるサ?ビスを提供しているところも多いが、中小ISPならフィルタリングソフト??代理店を兼ねてダウンロ?ド??とか?金代行をやるとか、そんな??になるのではないか。

また、?途、自民党が提案する?童ポルノ禁止法改正案で?童ポルノサイトのブロッキング(全利用者が解除できないフィルタリング)についての研究について盛り?まれると?道されているが、イギリスや北欧の例でもそれはISP自主?制の体裁で行われているのが大半だが、いずれにせよそれらは「?童ポルノ」というネット上の「?法情?」のそのまた一部の?であり、「有害情?」という?ではない。とりあえず、高市??の心の中までは知らないが、彼女にしても「大人が2ちゃんねるを?られなくなるような?制」を今回の法案に??して公に求めたことはないのであって、今回の「青少年」ネット?制法の??では、基本的には??ない。

だいたい、今回は青少年健全育成とか、青少年の保?とか、そういう?での?制法の流れなのだから、大のおとな同士の??中?等(かどうかの事?は判断していない。片方はそういう??だということ)に?しては、そもそも??にあがっていない。プロバイダ?任制限法を使うなり、それで十分でなければ民事??を起こすなり、?々と??するメカニズムは一?あり、それに欠?があるという?であれば、それは「?に」やらなければならない。そして、プロバイダ?任制限法は「通告があった?合に?者が?法なファイルを削除すること」を??づけるものではなく、民事的な?利侵害について、明?なケ?スだけを?うものであって、明?でなければ??を通じた解?しかありえず(明?かどうかの?引きに判断ミスがあったということであれば、それは被害者がプロバイダも民事??で?える?象とすることになる)、刑法的な?法情?の削除??がどれだけのレベルの判断を必要とするかは、これまでは??微妙で、 今回の立法で「法的??の形式的根?を得たことになる」と奥村弁?士は述べているが、????としての?引きが?わるような?にも?えない。

自主?制??は、EMAのような、おもに管理されたコミュニティサイトを携???フィルタリングのブラックリストから外すことに主眼を置いた?体が2ちゃんねるを?わないのは自明といっていいが、逆に「有害性」を判定するような自主?制??が2ちゃんねるを?象とするかどうかは自明ではない。?に3?型をベ?スとしたミニマムな有害性判断基?を作ったとして、それらに2ちゃんねるが?当するかといえば、「板」?位でも?当しないところが少なくないだろうし、スレッド?位なら平和なスレッドはいくらでもあるという?になる。PC向け需要を考えて、登?フィルタリング推???とすることを目的としてこれから??と基?を作って??を?んで登?したっていいわけで。2ちゃんねるやしたらば?示板、ミルクカフェといった、匿名性の高いコミュニティサイトを?かくレイティングしてフィルタリング可能とすることはそれなりに技?上・??上の??がありそうだが、立法が後押しとなって市?が?がれば、需要を当て?んで始める事?者が出ても不思?はないだろう。

2008/06/05

Permalink 01:27:58, by Nobuo Sakiyama Email , 154 words   Japanese (JP)
Categories: 監視社会, 児童ポルノ問題

アメリカの児童ポルノ誘引罪合憲判決

つい先日の5月19日、アメリカの児童ポルノ取り締まり法のひとつについて、最高裁で逆転合憲判決があった。 青少年ネット規制法案の動きがいろいろあったのでスルーしていたのだが、以前ブログでふれたこともあるのでフォローしておく。

United States v. Williamsという名前で知られてきた裁判で、報道についてはAP電New York Timesをとりあえず紹介。最高裁判決はネット上に出ている(HTMLで読めるコーネル大版PDFの米国連邦最高裁公式サイト版)。

問題となっていたのは、panderingと言われる、児童ポルノの宣伝、誘引などを(児童ポルノ画像等の実在性にかかわらず)犯罪とする条項である米国連邦法典第18編第2252A条(a)(3)(B)。

(3)knowingly-

(B) advertises, promotes, presents, distributes, or solicits through the mails, or in interstate or foreign commerce by any means, including by computer, any material or purported material in a manner that reflects the belief, or that is intended to cause another to believe, that the material or purported material is, or contains—

(i) an obscene visual depiction of a minor engaging in sexually explicit conduct; or
(ii) a visual depiction of an actual minor engaging in sexually explicit conduct;

US CODE: TITLE 18,2252A. Certain activities relating to material constituting or containing child pornography

具体的な事件としては、児童ポルノ画像のやりとりをしていると思われたネットのチャットルームに潜入捜査官が入ってきて、探りを入れに接触してきたチャットルームのメンバーの一人と児童ポルノではない子どもの画像の交換を繰り返したのち、このメンバーが「こいつはポリだから本物だせないぞ。俺はだせるぞ(URL)」といった内容のメッセージをチャットルームに投げて正体をばらしたところで、提示されたURL先の画像が児童ポルノだったのでFBIは早速令状をとって家宅捜索を実施、児童ポルノ画像がたくさん出てきました…、といったもの。画像の単純所持とは別に捜査官とのやりとりの最後の部分が pandering として起訴されて2罪で有罪となったため、pandering部分だけ違憲訴訟が起こせることになったということのようだ。

判決の多数意見のロジックをざっくり追うと、こんな感じ。ざっくりと追っただけなので、正確なところは法律の専門家に聞いてね。まぁ、そのうち解説記事がどこかに出るかもしれないし。

まず、これはかなり限定している条項だぞ、と。「知って」とあたまについているし、"advertises, promotes, presents, distributes, or solicits" というのは、児童ポルノの具体的な授受(実際に行われる必要はないが)に関するものに限定して解釈すべきだし、"in a manner that reflects the belief" というのは、罪の対象となる人が主観的に「児童ポルノだと」と信じて宣伝等していなければならず、同時に、その様子が客観的にそう思って宣伝等しているように見えないといけない、とする。これと or の関係になっている "(in a manner) that is intended to cause another to believe" というのは、他人に信じさせようというとことだから、対象者の主観的要素のみで決まるとしている。けれども、証拠は普通をそれを客観的に裏付けるものが必要だね、と。

その上で、"sexually explicit conduct" の定義(2256条(2)(A))で、"actual or simulated-"とあたまについてるうちの "simulated" の意味について、これは、「実は行為をしていないのだがはっきりそう描かれているもの」ということだとしている(explicitがついているので、示唆する程度のものは入らない)。そして、わいせつなものは憲法の保護の外だし、わいせつよりも広い定義となる(2252A(3)(B)(ii)は実在の児童のことであってバーチャル児童ポルノや幼く見える大人は含まれないとする。こういう解釈のもと、広範だから憲法修正1条違反だとして弁護側などが出した具体例は基本的に該当しない、としている。「本物だと思い込んで宣伝していたけれども実はバーチャル児童ポルノだった」というケースは、麻薬の売人が麻薬と思ってそうでないものを宣伝しているような場合も違法なのだから、それと同様で違法として問題ないとしている(贋物と知って売り込みをかけているような場合は、そもそも詐欺行為だから保護に値しないともしている)。

もうひとつ、曖昧だから憲法修正4条に由来するデュ-プロセスに違反するのではないか、という論点も出ていた。前述の "in a manner" 云々、の部分についてだ。これについても、控訴審判決で提示されていた例は、それってそもそも普通有罪って判断されないだろ、と述べている。その上で、そもそもが曖昧さの問題ではなくて、「合理的疑いを越える証明」の問題であり、「下品な」といった定義そのものが曖昧なものとは根本的に異なるとして、控訴審の判断を覆している。

少数意見のほうは、あんまりちゃんと読んでいないけれども、やはり、実在児童ポルノではない、修正一条で保護されるものを宣伝等するのがひっかかる場合があるのはおかしいのではないか、ということのようだ。麻薬の広告等とは違うぞ、と述べているようだ。

2008/06/02

Permalink 01:57:06, by Nobuo Sakiyama Email , 57 words   Japanese (JP)
Categories: セキュリティ, 情報社会, 児童ポルノ問題

政府の役割

むしろ政府の役割は、着実に違法行為を摘発することだ。

フィルタリングより肝なネット時代の自助教育 - 雑種路線でいこう

この問題は確実にあって、特定の違法行為がろくに摘発されず、自主規制のメカニズムからもこぼれ落ちていれば、おそらくはアンダーグラウンドの評判メカニズムが働き、弱い場所を確信的な違法事業の業者は徹底的に利用する。現状だと、アンダーグラウンドとまで行かず2ちゃんねるに出ていたりするが。

以前、12月下旬にホットラインセンターに通報した児童ポルノDVD販売サイトの情報が2月下旬に通報としては処理されて3月上旬にサイトの閉鎖に至ったという話を紹介したが、その後、このサイトはどうやら数日のうちにまったく同内容で復活していたようで、4月29日に再通報した。まだ再通報の処理はされていない。ドメイン名でググると、2ちゃんねるその他の掲示板で大量に宣伝的にURLが貼られていたことが確認でき(つまり、誰も知らないマイナーなサイト、という状態とは言えない)、また、サイト自体は、ごく最近、日本からの通報ではなくイギリスの Internet Watch Foundationからの通報で Google の検索結果からは除外されるようになった。

ドメイン登録情報のうち、サイトを特定しないよう一部を伏せ字にした情報を出すとこのようになっている。

Domain Name: *****.com
Registrar: GMO INTERNET, INC. DBA ONAMAE.COM AND DISCOUNT-DOMAIN.COM
Whois Server: whois.discount-domain.com
Last Updated On: 2008-03-1* **:**:**.*
Status: ACTIVE
Registrant Name: Domain Management Representative
Registrant Organization: paperboy and co.
Registrant Email: privacy@whoisprivacyprotection.info

COMドメインだが、レジストラは国内で、直接の登録にはどうやらムームードメインサービスを使っているようだ。料金支払いがコンビニ決済や銀行振込やゆうちょ振替でできるため、クレジットカード支払いよりもはるかに匿名性が高いし、whois情報はサービス会社のものとすることができるので、この Registrant Email でググるとスパマーや詐欺的なサイトにも愛用されてきたようだ。

その上で、サーバーは別の国内の会社のホスティングサービスとなっている(これは公表しない)。最初の通報のときとは、異なる業者だ(これも国内)。最初のサーバーではたしかに take down したが、すぐに別のサーバーで同内容を再現してDNSも変更した、ということになる。

通報が法執行につながっていればこのようなことにはならないはずで、ホットラインセンターからの通報を受け取った法執行機関が強制捜査を行っていない、あるいはそれが不十分だったことは明らかだ。COMドメインのレジストリこそ海外だが、レジストラやドメイン取得代行業者は国内なのだから、基本的に国内に閉じた問題と言える。

ここで、それではレジストラやドメイン取得代行業者もホットラインセンターのスキームに入れればいいか、というと、そう簡単ではない。ムームードメインサービスのWHOIS関連の見解にあるように、ドメイン利用自体の停止はサーバー提供の停止に比べて法的にハードルが高い。フィッシングに関するJPRS堀田氏の講演でも、現状では課題があることが述べられているし、また、違法性と高さと緊急性の高さは必ずしも一致するものではないから、緊急性が高い場合に認められる措置が、違法性が高い全ての場合に認められるかどうかは自明ではない。といって、ドメインの場合、幅広い違法情報の発信について(情報に対する管理可能性のない)レジストラやドメイン取得代行業者に義務を課したり登録者に対する責任制限を認めたりする立法をするというのは問題が多いという話にもなるだろう。

そう考えると、やはり、これは警察・検察がきちんと摘発をする、ということが必要だろう。そうすることで、はじめて民間事業者が動ける部分もあるわけで。単にかけ声で終わらせるのではなくて実効的なものとするには、現状行われるべき法執行がなぜすすまないでいるのか、ということに焦点をあてて調査研究が行われて、それに基づいた政策立案が行われるべきだろう。

2008/05/30

Permalink 02:19:50, by Nobuo Sakiyama Email , 0 words   Japanese (JP)
Categories: 検閲, 言論・表現の自由

「青少年閲覧防止措置」はとんだ毒饅頭かもしれないな

自民党「青少年による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案」/民主党「子どもが安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」が来週にも一本化して表に出たら議論しないで通すっぽい報道が出ていて、かなり危機感を覚えている。追いかけきれていないけれども、変なものが出たらほんとに困る。

とりあえず、手元の自民党案要綱も微妙に更新されたけれども、これが最新かどうかは知らない。とりあえず、公布日施行とか言ってたのはやめたようで、「青少年閲覧防止措置」の政府からの要請も「違法情報について」という限定は入り、情報発信者に対するサーバー管理者の損害賠償責任の制限も同様の趣旨で限定はされた。しかし、ここからが問題で、「違法情報」と言っているのだけれども、これには、厳密な意味で公然陳列等が違法となる情報ばかりではなく、「犯罪又は自殺を直接的かつ明示的に請負、仲介又は誘引をする情報」が含まれている。

昨今の「殺人請負人が登場してしまう闇仕事サイト」といったものや自殺サイトといったものを念頭に、そういうものを制限しよう、という考えなのだろう。でも、「犯罪又は自殺を直接的かつ明示的に請負、仲介又は誘引をする情報」の発信は、それ自体は今のところ、違法じゃない。それを制限するのは表現の自由の制約で問題だ。

…と言ったところで、「闇サイト殺人」とか「硫化水素自殺の続発」とか、そういうのを防ぐのには表現の自由の制約も仕方ないのではないか、という意見は当然強くあるだろう。それに、現行法でも、売春広告や違法薬物売買の広告は違法だから、公共の福祉によって表現の自由はある程度制約できる、という人も多いだろう。

しかし、ここで踏みとどまって考えてほしいのだが、まず、ここで出てくるような「青少年閲覧防止措置」は、ターゲットを絞り込んだように見える文面ゆえに、実務的には、結局、当該情報の発信を停止させる措置として運用される可能性がより高まっているのではないか。私が見ている自民党案では、サーバー管理者の責任制限について「当該措置が青少年間覧防止措置として必要な限度において行われたものである場合」という限定があるけれども、社会的に一定の地位のあり、かつ、現状でアダルト系のためのアクセス制限のシステムをもっていないサーバー事業者にしてみれば、「違法情報」のために「青少年の閲覧を防止しつつ成人には閲覧ができるようにする措置」のためのシステムを組む動機は乏しい。措置が「必要な限度」かどうかは、サーバー管理者がどのようなシステムを持っているかどうかにも依存するはずだしね。

その上で「犯罪又は自殺を直接的かつ明示的に請負、仲介又は誘引をする情報」というのを考えてみるのだけれども、この案では、「犯罪」の内容について限定がない。殺人・傷害・誘拐、といったものを列挙してみると、なるほど仕方ないな、という雰囲気が漂ってくるのだけれども、犯罪って一番広くいえば、違反すると刑事罰を課せられる違法行為がみんな含まれてくる。政治的なビラのマンションのドアポストへの投函で住居侵入罪で有罪になって最高裁で確定した場合もあれば、高校の卒業式で君が代斉唱時に着席するよう式典中に呼びかけた元教諭が威力業務妨害罪で高裁でも有罪になった、というニュースがちょうど流れている。あるいは、日本では公務員のストは違法で、有罪判決もたくさんあって、最近は公務員スト自体かなり減ったがそれでもたまにある。で、行為が犯罪になるかどうかはそれはまた別の問題として、そういったジャンルにおける「直接的かつ明示的に請負、仲介又は誘引をする情報」というのが、「違法情報」扱いを受けて表現の自由を制限される可能性を帯びるとなると、特に野党や野党支持者のみなさんにとってはそれはどういうことか、ということをよく考えてほしい。

直接刑罰の対象となるという話ではないが、「共謀罪」の議論と話は似てくる部分もあるのではないか。ここで、対象犯罪の列挙と個別検討なしに「犯罪又は自殺を直接的かつ明示的に請負、仲介又は誘引をする情報」の制限を広く認めてしまうというのはあまりに問題が大きい。そういう検討は、今の日程では不可能だから、どうしても「青少年間覧防止措置」というのをこの国会でやりたければ、ホットラインセンターで現在「違法情報」として処理しているような厳密な違法情報の限定列挙だけにするべきだ。可能ならまるごと先送りしてじっくりと検討するべきだけどね。

2008/05/25

Permalink 00:52:10, by Nobuo Sakiyama Email , 3 words   Japanese (JP)
Categories: 検閲, 言論・表現の自由

自民党のネット規制法案がなおヤバい件

フィルタリング法案がここにきて進展をみせていて、民主党が骨子をサイト上で発表する一方、自民党は、サイト上にはないが報道はされている。自民党案は、困ったことにきっちりと公表されておらず、ニュアンスも報道によって違いがある。リンクをしたスポニチ報道は、通信社記事だと思うが自民案は民主案に比べて「国の関与が強まる」ことが明確となっている。すなわち、

  • 有害情報の基準策定や有害サイトを判定する民間機関を政府が審査・登録する
  • 首相や官房長官も加わる関係閣僚会議を新設する
  • 有害サイトの閲覧を制限するフィルタリングサービスを普及促進するための基本計画を策定する

といったあたり。日刊スポーツにも同内容あり。このあたり、朝日・読売・毎日といった三大紙は、なぜか弱めのニュアンスの報道。

というわけで、かなり新しい自民党案の要綱を見ているのだけれども、これはまずい。規制推進派がかなり巻き返した印象。

報道にある部分では、「有害情報の基準策定や有害サイトを判定する民間機関を政府が審査・登録する」というのが問題。ここの「民間機関」の権限が、フィルタリングソフトの適合認定を含んでいて、それが携帯電話ISPのフィルタリング提供義務やISPのフィルタリング提供努力義務、PCメーカーのフィルタリングソフト組み込み義務とリンクしている。一段間接的になっているけれども、政府がかなりのコントロールをできる内容になっている。「有害サイトを判定する」という部分にも問題があるのだけど、後述。

この法案は、さらに「青少年閲覧防止措置」というのを定めていて、サーバー管理者が「知ったとき」に措置する努力義務を、とりあえずは違法情報に対して課している。のだけれども、政府が「通報処理団体」(審査・登録される民間機関と重なる部分もあるけれども同一ではない模様)からの「申出」に応じてサーバー管理者に「要請」する場合、その対象情報がどのようなものであるかは限定されていないようだ。「申出」については「青少年の健全育成のために必要があると認めるとき」であれば、情報の種類は問うてないように見える。前述のように、政府が審査・登録した民間機関が有害サイト情報を収集してサイトに通知し、さらに政府要請の対象とすべく申出できるということで、サーバー管理者の努力義務とは別に、「青少年閲覧防止措置」は幅広いものだと想定されている。そして、サーバー管理者は、「青少年閲覧防止措置」について情報発信者からの損害賠償責任について免責をされるのだが、これが無限定の免責になっているようだ。情報発信者にとっては著しい不利益が発生する可能性がある。プロバイダ責任制限法第三条2項二号のように、情報発信者の同意を得る機会を設けるなどのデュープロセスを課すような内容になっていない。

そして、そもそも論的には、「青少年有害情報」というのが定義されている(これは報道とは異なる)のだが、民主党案にあるように「著しく〜」という限定をつけることなく、「性欲を興奮させ又は刺激する情報」や「残虐な内容の情報」というのが含まれている。「青少年有害情報」は、サーバー管理者の努力義務とはリンクしていないのだが、その他の部分には広く影響するものとなっている。程度を問わないということは、社会的に問題ないとされるような性教育教材も対象とされる可能性があるし、残虐な内容については戦争被害についての教材なども該当してしまう可能性があるだろう。そして、よくよく見れば、「その他青少年の健全な成長を阻害するおそれがある情報」というキャッチオールの文言まであり、「青少年有害情報」は、謙抑的な意味で定義されていないのではなく、なんでもありの規制をかけられる方向で曖昧な定義になっているように見える。

また、誤解甚だしいと思われるのは「青少年有害情報フィルタリングソフトウェア」の定義で、インターネット上の情報について「利用者の発達段階に応じた一定の基準に基づき選別した上で」とあるのだが、一般に流通しているフィルタリングソフトウェアの多くの前提は、事業者は、インターネット上の情報をある程度客観的な属性で分類した上で、利用者側の設定で情報の分類に基づいて閲覧許可・不許可を判定することで情報の閲覧を制限するプログラムを提供している、というものだ。これは、携帯電話フィルタリングのデータを提供しているネットスターからしてそうだ。つまり、「利用者の発達段階に応じた一定の基準に基づき選別」することは行われておらず、利用者側に委ねられているということ。推奨設定として利用者の発達段階に応じた閲覧許可・不許可の設定を提供している製品も多いけれども、それらは推奨値に過ぎない。また、現時点では一律の基準となっている携帯電話フィルタリングサービスや、その他のフィルタリングサービスで利用者側でのカスタマイズができず一律の基準や発達程度に応じた設定が提供されている場合もあるけれども、それらは技術上・サービス提供上の制約としてそのような形態になっているに過ぎず、「利用者の発達段階に応じた一定の基準に基づき選別」が行われているわけではない。つまり、法案の定める「青少年有害情報フィルタリングソフトウェア」には、多くのフィルタリングソフトは該当しないのだ。

フィルタリングソフトは、そもそもが一律な情報受信の法規制に対するオルタナティブとして、受信者側の設定での選択を重視するソリューションとして出てきたものだ(それの建前と本音の差とか理念と現実の乖離とか透明性の問題とかはとりあえず置いておく)。民主党案はそこを理解して「子ども用フィルタリングソフトウェア」を定義しているが、自民党案では「選択」の視点がない。

おまけ的には、民間機関と関係閣僚会議の設置以外の部分が公布日施行って、どうみてもいきなり回らない仕掛けなので即日で日本のネット産業死亡とかそういうことをしたいのかしらと素で疑ってしまうよ。

2008/05/24

Permalink 22:35:38, by Nobuo Sakiyama Email , 16 words   Japanese (JP)
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自主規制機関をどうコントロールすべきか

楠さんが指摘する自主規制機関のガバナンス問題というのは、実に困難かつ深刻な問題なんだよね。

仮に第三者機関としてSafety Onlineを策定しているインターネット協会を念頭に置いているとすると、窓口機関業務に関する警察庁との受発注関係など4月末の警察庁による「硫化水素」有害指定で顕在化したガバナンスの問題を整理する必要がある。

神は細部に宿る - 雑種路線でいこう

日本の場合、インターネット協会のその出自からして、法人化のタイミングで日本インターネット協会と電子ネットワーク協議会の合併があったが、それ自体が主務官庁の強力な要請、というか財団法人としての認可の条件だったという話があり、自主規制関係の部門はほとんど電子ネットワーク協議会から取り込まれた経緯がある。

国分明男副理事長が電子ネットワーク協議会時代からその部分は一貫して統括しているけれども、彼の公的な言動からは、インターネット協会の取り組みが業界団体としての企業利益や、あるいは実際にネットを使っているネットユーザーの利益を反映する、という面は、率直にいって希薄で、ネット規制の積極推進派的なものが目立っている(もっとも、さすがに国会での参考人質疑となると法規制に慎重な態度とはなっているが)。それが、彼個人の考えなのか、そのぐらいのポジションをとらないと主務官庁からのプレッシャーに対して組織を守っていけないのかは定かではない。私が知っているインターネット協会関係者の話からすると、インターネット協会の自主規制事業(レイティング事業やインターネットホットラインセンターなど)は、主務官庁や警察庁の意向を背景として、会員企業の声を反映することなくやりたい放題と なってきた趣きがあり、携帯フィルタリング原則化騒動のあとのSafetyOnline4検討開始にあたっては、レイティング/フィルタリング連絡協議会からの宮本潤子氏(ECPAT/ストップ子ども買春の会)のパージといった、ある程度まともなガバナンスが働いた話も聞こえたけれども、NHKニュースにこの件で登場した国分氏の発言は、受信者側の自主的な選択に資する、というのとはかなり異なる方向性を向いたものといわざるを得ず、困ったものだと思った。

世界的には、イギリスの違法コンテンツ通報機関として Internet Watch Foundationが有名で、ここが児童ポルノブロッキングのURLリスト作成などもしているが、2006年末のThe Register記事によれば、イギリスでも政府の規制強化の圧力のもとガバナンス構造の変質があり、組織の透明性や説明責任は大きな問題となっているようだ。IWFは設立当初はネット業界関係者のコミットがきちんとあったのだが、実質的な規制能力の高まりと共に、ネット業界からのチェックは入れにくい形に変質し、だからといって代替できるチェックの仕組みが育っているわけでもない、という状況のようだ(なお、The Register誌のサイトは、IWFやイギリスの児童ポルノブロッキングについて良質な記事が大量にあるようなので、関心のある人にはググって一通り読むことをおすすめする)。

2008/05/23

Permalink 03:04:56, by Nobuo Sakiyama Email , 3 words   Japanese (JP)
Categories: 政治, 検閲, 言論・表現の自由

鳩山法相がまともなことを言っている件

検索していて参議院法務委員会の5月8日の議事録にいきあたって、以前ちょっとふれた松浦大悟議員がフィルタリングとLGBT差別の問題について質問していて、最終的に鳩山法相が答弁しているのだけど、結構まともな答弁になっていたので以下に紹介。まずは松浦議員の質問からだけど、文字になってると結構長いので途中を端折った。全文は議事録をみてほしい。基本的に、私が以前問題にしたの(のらさんのところに転載されたmixiのコミュでの話のほうが分かりやすいかな)と問題意識は同じ。

○松浦大悟君 何が言いたいかといいますと、実は現在、携帯電話会社各社は、子供に対して違法、有害なサイトから子供を守るためとしてフィルタリングサービスの提供を行っています。……

 このように、現在、急速に未成年者の携帯電話へのフィルタリングの適用が進んでいるのですが、実はここで一つ指摘しておきたいことは、現在のフィルタリングの一部が性同一性障害者や同性愛者といったセクシュアルマイノリティーの人権を侵害しているということなんです。

 どういうことかといいますと、携帯電話会社四社のうち大手を含め二社では、フィルタリングで排除するカテゴリーにライフスタイルというのを設けているんです。このライフスタイルというのがどういうものかといいますと、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダー、いわゆる性同一性障害などの生活スタイルに関する各種情報の提供ということになっているんですね。

……

 民間企業であるとはいえ、今や携帯電話会社はかなり公共性の強い事業であり、社会的影響の大きさからいってかなり問題のあるやり方ではないかというふうに思うのですが、法務省としてこうした企業に対し指導すべきだと思いますが、その辺りのお考えをお聞かせください。

これに対して、政府参考人の法務省人権擁護局長は、「具体的な事案を見てみないと」分からない、と逃げる答弁を続けていたのだけれども、これに対して鳩山法相は次のように答弁した(これもやや長いので若干端折った)。

○国務大臣(鳩山邦夫君) ……

 そうしますと、同性愛の方や性同一云々の方の人権というのも、それは立派に守っていかなければならない。松浦さんが先ほどからおっしゃっていることの論旨は、私は決して間違っていないと思います。ただ問題は、そのフィルタリングして有害情報を排除したいというのは国民全体の願いだろうと思います。むしろ、だから性同一障害とか同性愛というのはおかしいんだ、おかしいんだというめちゃくちゃな書き込みがあれば、そういうページこそ本当は除外をしたいということですから、あくまでも中身の問題ということになるわけでしょうが。

 今後フィルタリングの問題が本格化してくる。現在総務省で、今年の秋までにはインターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会が結論を出そうとしている。その結論を受けて携帯電話やインターネットの会社に対してどういうフィルタリングを求めていくかということになっていくんだろうと、こう思います。ただ、そういう中で、性同一の問題あるいは同性愛の方々の問題を、これは明示的にフィルタリングするようなことがあれば、これはあってはいけないことでございますから、人権擁護の観点で我々は物を言わなければならないだろうと。それは、人権局長はなかなか苦しい答弁をしておりますけど、私はその辺はある程度は割り切ってもいいのではないかと、こう思っております。

 ただ、内容が問題ですからね、本当は。内容は一つずつ本当は大問題なんだけど、一つずつフィルタリングするということはこれは絶対不可能ですから。そう考えた場合に、一つの概念として性同一の方の情報をフィルターに掛ける、あるいは同性愛の方々のことをフィルターに掛けるということは基本的にはあってはならないことと思っています。

明確に、「有害サイト規制」としてのフィルタリングにおいて、LGBTを対象としたフィルタリングを「あってはならないこと」と答弁している。国会質問の内容は基本的に事前通告されていることを考えると、どこまでを官僚が答弁をし、どこからが政治家として大臣が答弁するかは事前に考えられていたとも思われ、明確な答弁が鳩山法相から出た、というのは政府の明確な態度だと言えるはずで、これは実にいい仕事だなぁ、と率直に思った(踏み込んだ内容だから大臣から述べるべき、ということだったのだろうと思う)。

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